| 2002年02月13日(水) |
長崎ランタンフェスティバル |
昨日から「長崎ランタンフェスティバル」が始まった。 「長崎ランタンフェスティバル」とは、長崎の中華街の旧正月のお祝いを、長崎市がバックアップしたお祭りで、ぼくは過去2回ほど行ったことがある。 湊公園がメイン会場となり、数々のイベントが行われる。 印象に残っているのは、「中国雑技団」と「龍踊り(じゃおどり)」だ。 中国雑技団のほうは、身近な小道具を使った曲芸を見せてくれるおなじみのものだ。 ぼくはこの曲芸のほかに、楽しみにしているものがある。 その一つは、司会である。 このショーは中国の人が司会進行をやるのだが、実に話術が巧みである。 おそらく日本語はペラペラなのだろうが、「ゼンジー北京」みたいなしゃべり方をして受けを狙っている。 お客の拍手が少ないと、演技者はわざと嫌そうなしぐさをする。 そこで司会の登場である。 すかさず、「お客さんの拍手少ない、怒ってるあるよ」と言う。 その間の取り方が実に上手く、面白い。 しかし、会場から拍手が起こっても演技者はまだやる気を見せない。 「まだ拍手少ない、怒ってるあるよ」 一段と大きな拍手がおき、演技者は満足そうな顔をして演技に移っていく。 他国語でお客を乗せていく技術というのはすごいものがある。 もう一つの楽しみというのが、女の子の演技者だ。 背が低く、あどけない顔をしているので、日本でいう中学生か高校生だろうが、演技を見ながら思うことがある。 「この子たちは、化粧や髪型で若作りしているだけで、実際は20代後半から40代くらいじゃないのか?そばによって見たら、案外しわが多かったりして」とか、「演技が終わって楽屋に戻ったら、胸をはだけさせてあぐらをかき、タバコ片手に酒でも飲んでいるんじゃないのか? そして、『ああ、疲れたねえ。冗談じゃないよ。このくらいの安いギャラでやっとれるか』と、さながらストリップ小屋の踊り子さんのようなことを言っているんじゃないのか?」とか、ショーが終わったら宿でマージャンでもやってるんじゃないのか」などと、いろいろと舞台裏を想像してみるのも楽しい。 とにかく、中国雑技団というのは演技はマンネリ化して一度見れば充分なのだが、そういう裏の部分を想像する楽しみを提供してくれる。
一方の龍踊りのほうは、保存会か何かの会長さんが面白い。 龍踊りの説明をし、会場に集まった客に、「持ってこーい、持ってこい」と言わせて悦に入っている。 何でも、長崎の人は「おくんち」の時、龍が去って行くと「持ってこーい、持ってこい」と言って龍を何度も呼び戻させるという。 つまりアンコール・コールである。 それをランタンに集まっている客に言わせるのである。 「声が小さいですねえ。これじゃあ龍は戻ってしまいますよ。はいもういっぺん。持ってこーい、持ってこい、はい!」 「持ってこーい、持ってこい」 この「持ってこい」を言うのが、嬉しくてしかたない様子である。 さて、一通り龍踊りが終わり、観光客へ龍踊りの体験をさせ、龍が戻って行く。 ここで、会長の登場である。 「いいですか、みなさん。ここですよ。持ってこーい、持ってこい。はい!」 「持ってこーい、持ってこい」 2度ほどアンコールをして、龍踊りは終わりになる。 ここで面白いことに気がついた。 観客が「持ってこーい」を言っている時、会長さんはマイクを持ち大声を出して「○○さん。もういっぺんいいですか?」と打ち合わせをやっているのだ。 何か合図を決めてやればいいのに、正直な人である。 おくんちの時は「持ってこい」で龍は何度も戻って来るということだが、このランタンでは2,3度しか戻ってこない。 すべてはこの会長さんの胸の中ひとつである。 会長さんの機嫌次第で何度やるか決まるのかもしれない。 もしかしたら、この祭りを一番楽しんでいるのは、この会長さんではないだろうか?
こんなこと書いていたら、なんか行きたくなってきた。 しかし、長崎まで車で行くと高速を飛ばしても2,3時間はかかる。 往復すると5,6時間ということになるので日帰りはきつい。 行くとしたらJRになるだろう。 今年のランタン祭りは26日までやっているから検討してみるか。
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