今日、本屋に行ってパソコン関連の本を立読みしていると、「パソコン入門の本はないかね。市のパソコン教室で使うんだけど」という声が聞こえた。 「こちらでございます」と店員がぼくの立っている横に案内してきた。 いかにも市の関係者といういでたちの50代のおっさんであった。 おっさん「教材はどの本かね」 店員「といいますと」 お「いや、市のパソコン教室はどの本を使っているのかね」 店「私どもは存じませんが・・・」 お「決まっているんじゃないのかね」 店「教室によって違いますから・・・」 お「市の教室だよ。市の」 店「わかりかねます・・・」 お「困ったなあ。市で使うのに。じゃあ、一般的な入門書はどれかね?」 店「機材はウィンドウズMEと98のどちらをお使いでしょうか? 」 お「一般的なほうだよ」 店「以前は98でしたが、今はMEが売られていますので、一般的なほうといわれましても・・・」 お「市で使うんだよ。市で。そんなことも知らないのかね」 このやりとりを聞いていて、ぼくは頭に来ていた。 ぼくの性格からしてそこにいると余計なことを言ってしまいそうなので、その場を立ち去ったが、まだ二人のやりとりは続いていた。
だいたい、この本屋は市のパソコン教室指定の本屋でもないのだから、買うほうがどの本か調べてくるのが常識だろう。 それを「市で使う本だから、当然どこの本屋でも知っている」と思うほうがおかしい。 「市のパソコン教室では、この出版社のこの本をテキストとして使います」と市政だよりや回覧板に書いていたのだろうか? しかもどの機材を使っているかなんて、その教室に通っている人ぐらいしか知らないことじゃないか。 それにここは本屋であってパソコンショップではない。 自分の無知を棚に上げて、無理難題を吹っかけないでほしいものだ。 いくら市のパソコン教室のレベルが高くても、このおっさんは上達しないだろう。 わからないことを自分で調べるようなことはしないだろうし、自分の無知を教室のせいにするだろう。 そんな奴に上達はない。 おそらくこのおっさんは、ビデオも満足に扱えないのではないのだろうか? 公務員や大企業のお偉いさんには、この手の人が本当に多い。
しかし、この店の教育は行き届いている。 こんな客なのに、ちゃんと笑顔で応対していたし、言葉使いに何も落度はなかった。 ぼくが応対していたら、きっと顔色を変えムキになって「そんなに市のパソコン教室は偉いんですか?」とか「ちゃんと勉強してきて下さいよ」などと言っていただろう。
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