相変わらず白土三平の毎日だが、実に興味深いことが書いてある。 彼の忍者(例えばワタリ)は、きこり,木地師,マタギなど、いわゆるサンカの代表として描かれているのだ。 サンカというのは最近聞かなくなった名前だが、簡単に言えば戸籍を持たず固定の居住地を持たない人たちのことで、遡れば天皇家に繋がる人たちだという。 戦国武将の蜂須賀小六もサンカの出だと、何かの本で読んだことがある。 サンカについては、五木寛之の「風の王国」や佐治芳彦の「謎の木地師」等に詳しく書かれているので、興味を持った方は読んでみて下さい。 実は、ぼくは昔からサンカに憧れを抱いている。 サンカは「山の民」「漂泊の民」などといわれているが、その言葉にすごく憧れるのだ。 何者にも縛られない、自由さをその言葉から連想する。 権力に縛られないということはどれだけ幸せなことか。 それだけ自分のもつ責任は重大になる。誰も助けてはくれない。 とにかく自分が動かないことには生活が成り立たないが、外部から与えられる精神的な重圧に比べると、どれだけ楽だろう。 「お前は甘い!」と言われそうだが、苦痛も結局は心が生み出すものじゃないですか。 でもそう考えると、権力も気にしなかったら苦にはならないだろうが。
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