さっきまで「昭和・爆笑王伝説」という番組を見ていた。 「やす・きよ」と「林家三平」の特集だった。 「やす・きよ」はともかく、ぼくは小学生のころ三平のファンだった。 当時はテレビでお笑い番組をよくやっていた。 とくに日曜日は、吉本新喜劇→大正テレビ寄席→新宿末広亭、と続けてお笑い番組があったと記憶している。 三平もその一連の番組に出ていたわけであるが、当時は「よしこさん」の三平、「山のアナアナ」の歌奴(今の圓家)、月の家円鏡、柳亭痴楽など個性派が多かった。 そんな中でも、三平と歌奴のネタは小学生のぼくでも大いに笑えた。 今でこそ「新しい落語を追及した」などと評されるが、三平さんは遊んでいたんですよ。 だから子供にも通じた。 自分が一番楽しんでいたんだろう。 さて三平も好きだったが、それ以上に好きだったのは、三平のうしろでアコーディオンを弾いていた人だ。 三平が「好きです。好きです。よしこさーん、こっち向いて・・・」と歌うときだけ、アコーディオンを弾いていた。 それ以外は、三平の強烈なギャグを目の前でやられても、表情を変えもせず、ただアコーディオンを抱えて座っていただけだった。 『不思議な人だ、面白くないんかなあ?』と、ぼくはいつも思っていた。 今考えると、この演出も三平一流の遊びだったのだろう。
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