みゆきの日記
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2003年07月09日(水) 報われない努力

今日は菜子がぜんぜんご飯を食べなかった。

一日に一回くらいはそういう時もあるんだけど、今日は3回とも機嫌が悪くて、
二口、三口食べたと思ったら泣き出してしまう。
あとは、フルーツとかヨーグルトとか菜子の好きなものを食べさせて、
機嫌を取りつつ、さっと口にいれる。
普段、ぐちゃぐちゃになるのが嫌であまり食事にさわらせないんだけど、
(本当はさわらせたほうがいいらしいデス)
仕方がないのでさわらせて、夢中で遊んでいる間に口にいれたり。

それでもやっと半分くらい食べたあたりでもう手がつけられないほど泣きわめく。
バナナでさんざん遊んだ菜子は、全身バナナだらけ。
せっかくきれいに作ったロールサンドは振り回されて、
パンの切れ端があっちこっちに飛んでいる。
ほとんど食べられなかった無残な食べ物の残骸と、髪の毛にまでバナナをいっぱい
くっつけてギャーギャー泣いている菜子の姿に思わずため息が出た。

あー疲れた。
お風呂に入れなくちゃ。

それが朝昼夜と続いたので、私はすっかり倦怠モード。

「今日菜子ちゃんぜんぜんご飯食べなかったのよ。
 もう私疲れたよー。
 せっかくイロイロ作ったのにさ。」

「今日何作ったの?」

トモユキが聞いてくれる。

「朝はね、バナナヨーグルトと苺のロールサンドとジャガイモとブロッコリーのチーズ焼きとオレンジ、
 お昼は、ほうれん草と桜えびの和風おじやとお豆腐のあんかけ。
 あんは鳥のひき肉としいたけとしめじとにんじんで作ったの。
 それに白身魚とキャベツのトロトロ煮。
 夜はしらす入りおかゆと赤ちゃん肉じゃが・・・。」

私はくどくどと説明する。
今日は結構がんばって作ったのよね。
って言っても出汁とかお肉とか魚とかはいろいろ冷凍してストックしてあるから、
それほど時間がかかるわけじゃないけど、
わりと手間はかけたし、できばえも悪くなかったと思うのに。

「へぇー、すげーうまそうじゃん。
 どれどれ?」

菜子が残したものを、トモユキは味見して、

「肉じゃがうまい!
 このあんかけはダメだよ。鶏肉がパサパサしてるし変なきのこの味がする。」

私は笑ってしまう。

「変なきのこって・・・しいたけでしょ。」

トモユキはしいたけが嫌いなのだ。

「おじやはあんまり味ないなァ。
 でもトロトロしてて食感はいいね。」

「味はあんまりなくてもいいのよ。
 まだ味が濃いものは食べられないから。」

こんな話をしているうちに私の疲れはだんだん消えていった。

「報われない努力はないんだよ。
 いや、あるけどさ。
 子育てに関しては、それはない!
 絶対、そうだよ。
 みゆちゃんが一生懸命作ってくれたことは絶対菜子ちゃんに伝わってるよ。」

離乳食作りって、孤独なのよね。
がんばって作っても美味しいって言ってくれるわけでもないし、
機嫌が悪いと全部ぐちゃぐちゃにして食べないし。
私の友だちは何を作ってもほとんど食べないから、もう作る気がしないって
言っている。
菜子は普段わりとよく食べるから、私は楽しんでいろいろ作っていたけど、
今日はその気持ちがわかったなァ。

でも、トモユキがこう言ってくれたおかげで今日の私の仕事はちょっと報われた気がした。

「みゆちゃん、ありがと。
 いつも菜子ちゃんにも俺にも美味しいご飯作ってくれて。」

こちらこそ、ありがと・・・。

明日は何を作ってあげようか。
いっぱい食べてくれるといいな。


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