行人徒然

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きらきら光る場所
2006年03月28日(火)

本屋に行くと、時々なんともいえない衝動に駆られることがある。
どこかに駆け出したいような、何かをぶち壊したいような、大声で叫びたいような、奇妙な感覚。はっきりわかっているのは[あの場所]へ行きたくなるということ。
[あの場所]はこの世のどこにもない。戦いがあって、冒険があって、剣と魔法と強い意志と信念が入り乱れて、ピカピカ輝いて、ぎらぎら光を放っている場所だ・・・と思う。
冷たく分析をすれば、ファンタジーノベルを読んで現実逃避がしたいのだろう。
まぁ、そんなことを言っては話が始まらないのだが・・・はじめる必要もないんだけどね。

学生の頃、ひたすらに読んだ冒険小説を引っ張り出す。同じように面白く感じるのは・・・心が成長していないせいだろうか。感受性が劣化していないせいだとある精神学者は言う。

子供はなんでも感動する。それは感受性が豊かだからだ。劣化すると、多少の事では感動できない。
子供がファンタジー世界に同化し住人(?)になれるのも、感受性が豊かだから。大人になると劣化し、現実しか見えないので、見えなくなったファンタジーワールドを馬鹿にする。

んだそうだ。
つまり、感受性豊かなので子供は「あっち側」にあっさり行ってしまう・・・というわけだ。

何でもいいけど・・・・
感受性はそこそこ研いであると思う。変なところが研ぎ澄まされすぎていたり、必要なところが磨耗したりしているが。

ただ、あの衝動に駆られて[あの場所]に行きたいとき、最近ではその門になる本があまり見当たらないことだけが残念だ。
時々、仕方ないので自分で[あの場所]へ行く門を作る。その場所へ向かう道を作る。
[想]なんかは・・・自分で作った[あの場所]の一部だけを切り落とし、カカイル風味に仕上げたものだ。
[あの場所]は、たぶん誰の心にもあると思う。
必要かどうかは別として。




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