行人徒然

行人【MAILHOME

ムシの知らせってやつかも
2004年04月25日(日)

 この間から喉の具合がちょっと悪いのだが、なんとなく今日は行かなければ後悔するような気がした。家族中が同じようにどこか不調を訴えているのだが、みんな口を揃えて『今日行かなければ後悔するような気がする』と言う。だからというわけではないのだが、薬を飲んでおじいちゃんに会いに出かける事にした。母さんは昨日から泊まりでおばあちゃんを見ているので、みきくんと父さんと三人ででかける。
 この間行ったときは、車内で珍しく酔って大変だったけど、今回は風邪薬と酔い止めを併用するという大胆さで無事に切り抜け、安全に?千葉へ行き、母さんを拾って病院まで行く事ができた。
 この前と比べて、おじいちゃんは元気だ。元気といっても、相変わらず何を言っているのかわからないし、体を動かす事もできない。倒れた老木が、じっと枯れていくのを待っているような、そんな状態だ。
 それでも、声を掛ければ反応が帰ってきたし、触れば笑うし、何かもの言いたげに声を出す。そして驚いた事には、微かに名前を呼んだが、それは気のせいだったかもしれない。おじいちゃんの声を聞きたいから、静かにしていたいよといったら、喋りなさいと言ったけど、それも気のせいだったかもしれない。
 とにかく、びっくりするほど元気で、もしかしたら回復するのなかとも思った。
 ただ、それは母親を勇気付けるだけの言葉だと自分で知っていた。彼はアルツハイマーなので、進行が緩やかになる事はあっても、それがほとんど止まる事があっても、もう二度と前のような状態にはならないと知っている。
 帰る時に、布団を掛けてあげて、帰るね、と声を掛けたら、布団の下で腕を振ってくれた。ちょっと驚いて、逆に悲しくなった。



BACK   NEXT
目次ページ