行人徒然

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半田弁当部
2001年01月15日(月)

 知っている人は知っている。知らぬ人は知らない。当たり前です、そんな事。
新幹線で福島駅に停車した事がある人や、駅弁図鑑が好きな人、ついでに旅お宅とか列車マニアなら知ってるかもしれません。福島駅の駅弁やさんです。各務が知っているだけでは、新幹線ホーム上下両方と同じく新幹線改札内にあります。2号店は福島駅西口にあります。
 この半田弁当部が、本日付けで休業となりました。下りホームにある売店のおじさん、おばさんたちには本当によくしてもらい、私が乗務していく上で、彼らに会う事が楽しみの一つでもありました。
 ジュースをごちそうしてくださったり、季節になると家で採れたという果物をくださったり。煙草を分けてくださった事もありました。私が吸うんじゃありません。車内で販売するんです。
 車内販売で扱っている煙草は常に品薄で困っていましたが、売店でも同じ煙草を扱っているので、時々無理を言って分けてもらっていました。いや、ちゃんと買うんだけど。2、3個私が自費で買って、それを車内で販売した時に財布にお金を返すのですが、5個くらいしか売店においてないのに、いつも快く煙草を分けてくださいました。本来はこういった方法で煙草を車内販売してはいけないのですが、お客様へのサービスを考えると、品薄の煙草はこういう手段をとってでも手に入れなければ行けません。
 それ以外にも、売店と販売員を越えて、本当にいろいろお世話になりました。
 その半田弁当部が、今日でなくなってしまいます。
 とてもさびしくて、今までお世話になった彼らに、特におばさんたちにお礼を言いたくて、とうとう暴挙に出ました。半田弁当部に電話したのです。
 向こうに出てきた事務のおばさんの声は、今まで聞いた事の無い人でした。私は自分の名前と、以前車内販売員だった事を伝え、お忙しい中と思いますが、どうか各務が皆さんにお礼を言っていたとお伝えくださいとお願いしたのでした。
 電話の向こうで、今日でおしまいなんですという言葉を聞いたとたんに、各務は胸が痛くなってしまいました。
 各務は馬鹿かもしれません。そんなことを言って、いったい何になるのだろう。そう思いました。向こうもいろいろ忙しいのに、そんな電話に答える暇など無かったかもしれません。それに、それがちゃんと彼女たちに伝わるか・・・。
 でも、これは各務なりのけじめでした。お世話になった方々がお仕事を終えるなら、その時にお礼を言う。各務のけじめでした。ただの自己満足かもしれませんが・・・



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