行人徒然

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いつもの、アレ
2000年12月19日(火)

 定期的にして非常に不定期な、例のアレがやって来た。言っておくが、女性特有の生理現象ではない。

 最近、とても精神的に疲れているような気がした。誰かに寄りかかりたい。そしてゆっくりと休ませてもらいたい。
 自分は弱いので、休ませてくれる腕が必要なのだと最近とみに感じる。しかし、それは求めれば易々と与えられるものではないらしい。少なくても、自分にとっては。
 雪のように降り注ぐそれは、最初は己の体温で融けていくが、じわじわと体温を奪い、身体の上に積もり始め、最後には己を埋めて殺してしまうだろう。その時、果たして惜しんでくれる人が現れるほど、価値のある人間になっていられるだろうか。
 何も書きたくない。むしろ書けない。
 求めるものはいまだ片鱗すら見つけることも出来ないのに、それを表に出す事も出来ないのに、文として表現する事も出来ないのに、どうしてそんな嘘を並べられるのだろう。自分の夢を美化しなければいけないのだろう。
 そろそろ、字書き失格の時期かもしれない。もっとも、そんな大層なものも書いてないけど。

「やがて現れるはずだ」
かつて尊敬してやまなかった「Y2」はそう言った。
「それなら、まず自分を愛して、大切だと思わなきゃ」
大切な横浜の「兄」はそう言った。
「そんなもの、なくても大丈夫だよ、たぶんね」
今も特別な「彼女」は、かつてそう言っていたが、今は・・・?

人が動物である以上、子孫を残さなければいけない。
あの日、「先生」はそう言った。
子孫を残すための動機付けとして、遺伝情報の中にプログラミングされている「感情」だ。お前が正常に生物として機能しているという、立派な証明だ。

 ・・・だけど。
果たして答えなど、どこにもない気がする。
その思いに捕らわれた時、癒せぬ空しさを抱えてデパートへ足を向け、
欲しかったはずの目的物を前に買うのを躊躇い、
「どこか」へ気持ちを飛ばしてくれる書物を探し、
結局何も持たずに帰ってくる。

「自分が好きでないなら、誰も自分を好きになってくれないよ」
愛すべき「兄」はそういうが、「兄」には恋人がいる。
この前見せてもらった写真は、とても幸せそうだった。
レインボーフラッグが彼らの心にはためいて祝福している。
あの虹の旗。心の中に灯す道標であり、象徴。
私の虹の下には、まだ自分の影以外何も見つけられない。




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