行人徒然

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複雑な心境
2000年11月27日(月)

 ずっと日記を書けなくて、結局後から書き足してたんだけど、それはもうやめる事にした。だって忘れちゃってるし、体調も悪いし、仕事最近忙しいしで、あまりかけないのだ。
 まだ全快してないんだけど、どうしても今日は日記を書いておこうと思った。


 例えば、もう十年位前に、好きだった人がいるとして。その人のことを、本当に好きで、命をかけてもいいと思うほど、大切で、特別な存在だったと仮定する。でも、その思いを相手に伝える事は絶対になくて、声を聞かなければおかしくなる。姿を見れなければ気が狂うとまで思っていたのに、あっさり10年それなりに過ごしていた自分がいたとする。
 少し前に、共通の友人が結婚するというので連絡をもらって、十年ぶりに会って、またそれから半年、その人とは会わなかった。
 その時も、その人に会った時に複雑な感情があったけど、こんなにひどくはなかったとする。
 今日、偶然その人と駅であったとしよう。その人はとても急いでいて、別の友人といた自分を見つけて声をかけてくれたが、会話は何も出来ず、走って電車に飛び乗っていった。自分が発する事が出来た言葉は、
「何で?何でここにいるの?」
 その人の仕事先はその駅が最寄でもなく、自宅もより駅もそこではないので、自分は軽いパニックに陥ってしまうのだ。
 しかし、一緒にいた友人にその事を告げることは出来ない。その人を「特別に」思っていたことは、自分以外誰にも言ってはいけないことだから。
 約一時間後。
 その人から電話がくる。
「さっきは急いでたから、声をかけたけど、なんだか感じ悪かったかなって思って」
 自分は声が出せない。うまく言葉が出ない。
 そんな些細な事で電話をくれるなんて、もう、望んでもいなかった、大きな贅沢だったのに、その人はわざわざ自分を気にかけてくれて、電話までくれた。
 結婚する時は、自分を絶対に呼びたいと思っている。
 そう言ってくれる言葉が嬉しくて、少しせつない。
 その人のことを努めて忘れたかった時間があって、忘れたふりをして、
時間という毎日の流れで少しずつ思い出をぼやけさせて、すり減らしていたけど、
会って、声を聞いたら、やっぱりまだ、その人は自分にとって「特別」だった。
 ・・・・やっぱり、その人のことを思うと、まだ胸が痛い。
 忘れていた時間は剥ぎ取られて、忘れたかった思いが鮮明に剥き出しになる。
 昇華したと思っていたのに、過去の事だと思っていたのに、再び帰ってきた思いは、何処へ持っていけばいいんだろう。
 その人のあとに、好きになった人がいなかったわけじゃない。
 恋をしなかったわけでも、誰かと付き合わなかったわけでもない。
 でも、その人以上に大切で、特別だった人は、まだ何処にもいない。

 どうすればいいんだろう。
 会いたいと念じていれば、必ずもう一回は会える。
 そんな最後の言葉を信じていたわけではないけど、そうやって会う事の出来た偶然を、その人と神に感謝したい。
 神は、きっと本当にいる。強く願う事が、自分の中で全てをつかさどる神になる。
 でも、どうすればいいんだろう。
 その人に思いを打ち明ける事は、やっぱり絶対にしてはいけないこと。
 いまだ、ささやかながらも続いているらしい友情?を保つためには、笑い話のねたにも、例え話の題材にものせてはいけない、自分だけの秘密。
 伝えられたら、どんなにいいだろう。
 嫌われる事さえ、失う事さえ怖くないなら、絶対にためらわないのに。
 その微笑みを、たった一回だけでも自分だけに向けてもらえるなら、無限の苦痛も辛くない。
 その笑いの下の努力を、知っているからこそ、支えて、力になりたい。



 ・・・・という状態になったと仮定したら、どうすればいいだろう。
少なくとも、いいネタにはなるだろうが。 
 ほんとにあたしって、かなり高い確立で事実を元に話を作るんだなぁ・・・
今度ネタにつまったら、また「彼女」でもつくりにいこうかな。名倉君、彼女になってくれないし(笑)



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