行人徒然

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雨降り
2000年09月23日(土)

 今日は一日ごろごろしてた。ほんとは髪を切りに行かなきゃいけなかったんだけど、雨の中傘をさして自転車をこいでいくのは嫌だったのだ。
 美容院に行くということは、まず髪を洗って、乾かして、着替えて自転車に乗っていかなければいけない。その前に、どこかにいってしまった会員証を探すために部屋を掃除しないといけない。めんどくさいので、行く気が失せる。
 明後日から派遣先の企業で働くと言う新生活が始まるのに、果たしてこれでいいんだろうか。
 夕方一時やんだ雨だったが、遠くで雷鳴。すぐに雷を伴った大雨になった。梅雨に大して降らなかった上に台風もろくろく来なかったとはいえ、秋雨にしては少し激しい降り方。こんなに降ってしまっては、秋に収穫する作物に被害が出ないか心配だ。
 収穫物と言えばいつも気になることなんだが、日本と言う国はなんて弱い国なんだろう。自国で消費する食料を自国内だけでは賄い切れないという事は、非常時における緊急体制が取れないということで、食糧輸入国に強い態度が取れないと言うことだ。つまり、いつまで発ってもアメリカをはじめとする諸国の言いなりにならなければいけない可能性、または公算が強いと言うことだ。
 北朝鮮を見ればよく分かる。どんなに強い態度に出ようとしても、最終的には食料を下さいと言わざるを得ないために、結局態度を軟化させている。
 別にあたしは右に寄ってるわけでも左に傾いているわけでもないが、中学校のときに公民の授業で食料輸入の問題を教わってから、ずっとこのことが気になっていた。日本は外国の農家を養うために食糧を輸入しているんじゃないかと錯覚してしまうほどの量だと思った。一方で、自国の農家は国の政策の下で低収入にあえぎ、結局田畑を手放す人が多い。結果、自国の食物生産量食料が低下し、輸入量を増やさなければいけない。ただの悪循環だ。
 ちなみにあたしはこんな間抜けな政策をとっていこうとしている政治家や、そういう人たちが属している政党を支持したことがない。これはあたしのささやかな誇りだ。
 危険な意味ではなく、ごく普通に愛国心をもって(自分がいま内戦状態の国などに生まれなかったことを感謝する程度のもので結構)かつ、自分の生活を守りたいと思ったときに、普通に考える問題ではないかと思う。

 ある農家の話。
「うちは代々米を作ってきたが、減反政策で米を作れなくなった。仕方がないからこの辺ではトマトを栽培している。トマトは一箱120円で買い上げてもらうが、箱代が120円だから儲けは全くない。
 その上作ったトマトの半分は価格低下を防ぐためと言われてつぶしている。
 うちではトマト以外も(作物を)作っているが、みんな同じような状況で、好きでやってる趣味みたいなもんだとつくづく思う。
 かかぁ(彼の奥さん)はスーパーで働いてるし、子供たちも働いて家に金を入れてくれる。
 そうしないと、もう農業はできない。赤字なんだから。
 国は俺たち(農業を営む人々)のことなんかどうでもよくって、アメリカとかの機嫌を取るほうが大事なんだろうよ。
 こんな状況だから、家業を継いでくれなんてとても子供達にはいえない。
 俺が死んだら、農業はやめて、土地を高い値段で売ったほうがいいと言った。
 隣ンちは、それで大金持ちだよ、あんた」

 果たしてこんなことを考える食糧生産者が多数いる国が、まともな状況と言えるのだろうか。
 少なくとも欧米諸国にこんなことを考える農家がほとんどいないことは、その国の統計が示すとおり。
 さて、日本は本当に先進諸国の仲間入りをしているのだろうか。
 この国は砂上の楼閣だと思う。
 いやいや、地震大国ふうに言うなら、活断層の家に建ってる耐震機能も免震機能もない超高層ビル。おまけに埋立地。
 最低だな。こんな状態であることを知らされて、住みたいと思う人はいるのだろうか。
 あたしは引越しを考える。それでなくてもこの国はいろいろ基本的なところで問題が多い国なんだから。
 いいところは銃火器類が規制されてることくらい。でも、そういう先進諸国は他にもあるよ。ただ、日本語が通じないけどね。



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