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窓のそと(Diary by 久野那美)
by 久野那美
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■卒業?
怖い夢の定番で、繰り返し、繰り返し、見るシリーズがある。

「勉強しないと卒業できない」という夢だ。

こんなバカみたいな設定なのに、夢の中の私はとても苦しんでいて、ひどくうなされて目が覚める。
状況はその時々でちょっとずつ違うんだけど、共通するのは、「これまでの不勉強をとりかえすべく猛烈に勉強しないと卒業することができなくて、この場所にいつまでもいなくてはならない」というシチュエーション。どこを卒業できないのかはいつも曖昧ではっきりしない。

不思議なのは卒業できないのがいつも「未来形」であることだ。

「勉強しなかったので卒業できなかった」というストーリーであることは決してなく、
かならず、「勉強しないので卒業できないだろう」という設定なのだ。

この時制には深い意味があるような気がする。

絶体絶命なわけではなく、がんばればなんとかなる余地が残されているのに、夢の中の私はあらかじめ絶望するのだ。そんな暇があったらがんばれ、まだ間にあう、と夢を見ていないときの私は思うんだけど、この夢を何度見ても、そういう風にはならないのだ。


目が覚めるといつも、もうどこも卒業しなくていい自分の立場に心の底から幸せを感じる。そしてなんども確認する。
ほんとうに、私は、もう、卒業しなくてもいいんだよね?と。

「まだチャンスがある」、という状況なら私はがんばってなんとかしようとする方だと思うんだけど、なぜだかこの夢だけは絶対にそういうこちにはならないのだ。私はそこまで勉強するのが嫌いなのかと自分でもあきれる。

もしかしたら。一度でもがんばって勉強して夢の中の卒業試験に合格することができたらこの夢を見なくなるのかもしれない。
はたしてそんな日は来るのか?
こんな気の長いプロジェクト、誰が企画したんだ。

そして時々ふと思う。
ほんとうに、ほんとうに、私はもう、卒業しなくてもいいんだろうか?
09月05日(水)
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