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窓のそと(Diary by 久野那美)
by 久野那美
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■夕方と私
記憶の中の夕方はどれもよく似てる。
あのときのあの夕方も。
あのときのあの夕方も。
あのときのあの夕方も。
実は同じ町の風景じゃないのかと思うほど、なにか決定的に同じものがあって。
それはきっと夕方の風景にとってとても肝心な何かなのだ。
最近。日が長くなってきたので夕方はだいたい外を歩いてる。
夕方を歩くのは楽しい。
子供の頃から好きだったので夕方の記憶はたくさんある。
状況は全部違う。
あの町の夕方だったり。
あの日の夕方だったり。
あのひととの夕方だったり
季節も時代も場所も違う。
だけども何か決定的に同じものがある。それが何なのかずっとわからない。
夕方がそういう風に夕方であるための、肝心な何か。
夕方の時間。
時間の粒子が少しずつ荒くなり、どんなものにも影が差して。
町がゆっくり立体になる。
時間と場所の距離は天文学的に遠い。
近づこうとすれば残酷なほどよそよそしく、遠ざかるためには際限なく優しい時間。
決定的に同じものは何?
空の色?影の方向?光の射す角度?地球の軸の角度?
…わからないけど、何しかそういう類のものだと思っていた。
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夕方の時間。
時間の粒子が少しずつ荒くなり、どんなものにも影が差して。
町がゆっくり立体になる…。
少しずつ起きあがっていく町を歩いていて、今日、ふと思った。
決定的に同じものは風景の中ではなくて、風景からいつも等しく遠いところにあったのかもしれない…。
私は、私の見た夕方しか見たことがなかった。
04月26日(木)
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