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きゅっ。
by きゅっ。
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■隣の芝…桜
ウチの隣家に、小さい頃から兄のように慕ってきた人がいる。
それは、あっちゃん。
6歳年上のあっちゃんは、いつも俺のヒーローだった。
真新しいニシザワのスキーを担いで裏山にやってくる。
竹を雪面に刺すと、あっちゃんは、持ってきた食塩の袋からパラパラと撒いた。
滑っていいぞ。
生まれて初めてのポールコースは、あっちゃんがつくった。
大人になってから、
ある日の午後、電話がかかってきた。
庭先で飲んでるから来いよ。
もちろん、行った。
あっちゃんは、既に上機嫌で饒舌だった。
やがて、自分の仕事の話をし始めた。
そのうち、ウチの娘が行っている高校批判が始まった。
さらにエスカレートし、大学卒はみな悪いなんてことを言い出した。
これくらいまでは、フツーの酔っぱらい。
だけど、
その非難の矛先に俺がなっていることに気付くのに、そう時間はかからなかった。
そして、
今まで全ての尊敬をかけてた人から、最大の裏切りの言葉を掛けられた。
死ね!
酒も飲まずに酔っぱらいに付き合うことは嫌いじゃないし、良くやっていることだ。
だけど、幼い頃から尊敬していた人に、それも病気で酒飲めないのに付き合ってきた俺にかける言葉として、50近い男が発する言葉じゃなかった。
その場で絞めてやろうかと思ったけど、酔っぱらいなんで、そのままにして家に帰った。
翌日、すぐに謝りにくると思った。現場には、奥さんもいたから。
でも、来なかった。
一週間後、来なかった。
一ヶ月後、来なかった。
もう三年以上経つけど、顔もあわさないし、謝りにも来ない。
最低の男。
尊敬していたのに…
いま、入院して、いろいろ励ましをもらうけど、もちろん、この男からは一言もない。
もしもの場合は、あの世で、伯母さんと懲らしめる相談をしようと、密かに企んでいる(毒)
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07月23日(月)
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