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今日の私
by かずき
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■『Miss Saikon〜ミス再婚〜』
TSの舞台は割りといつも、役者さん目当てで行きます。
どんなにつまらない作品であろうと、たいていの場合、
役者さんたちの魅力は見事に使いこなされていて、
ファンとしての私は、それだけで十分に満足できるから。

TS作品リスト、今回含めず9本中8本観ている中で、
作品として納得しているものは再演を繰り返した2本のみ。
要は、確率的には「当たりだったらラッキー」ぐらいの気分。
しかも今回の原作は、一度も納得できたことのない大谷さん。
更には、もう若くない女性が結婚に関して悩む話と来たら、
よしんば作品として良い出来であったとしても、私には絶対に
共感しようもないことは最初から納得の上で¥7,500-払って、
出演者6人中4人、役者さん目当てで行ってきました。


TSミュージカルファンデーション
辛口ミュージカル『Miss Saikon〜ミス再婚〜』

<場所>博品館劇場D-12番
<時間>1幕19:00〜20:10、2幕20:25〜21:25
<原作>大谷美智浩、<上演台本>永元絵里子
<演出・振付>謝珠栄
<出演>
 香寿たつき(高嶺希美)、
 安崎求(君島彰、フォーチュン・テリー)、平澤智(後藤慶太)、
 パク・トンハ(キム・カンミン)、成瀬こうき(高嶺礼子)、
 新納慎也(桐ケ谷俊介)

今回は予想どおり、話の主軸に関しては「あー、はいはい」
としか思わず観終えてしまいました。真正面からすごく頑張って
物事に対応しちゃおうとする主人公は、前回の香寿さん主演作品、
『天翔ける風に』のような時代ものならついていけるのですが、
下手に自分に近い世界だと、うざく感じてしまうみたいで。
悩んでいる対象が「結婚」だからねぇ・・・。

なんで、好きな人もいない状態で、結婚ごときばかりを
そんなに一生懸命考えていられるの?と思ってしまうんです。
気になる人ができたら今度は、思い込みや早とちりな夢ばかり。
しかもその彼女が最後に選んだ結論を聞くと、ますますガックリ。
同じような悩み抱えて、同じような結論にたどり着き、そして、
数ヶ月たつとまた同じような悩みを相談してくる人って、いる。
それでも、本人はいたく真剣に考えているのは分かっているし、
30代半ば独身として、そこまで悩めるのは若干羨ましくもあるので、
どこかで吹っ切れるといいねと思いつつ毎回つきあうのですが、
わざわざフィクションで観たいとは思わないかなぁ。
まあ予想した上で来てるんだから、今回はいいのですが。

ただ、今回はコメディ風味で作られていたのが助かったところ。
彼女が出てきたとたん「たかねのぞみ」というフルネームで
「マジに悩みつつ観るものじゃないよ」というフォローが入るし、
香寿さんの可愛さも全開で、一生懸命さが深刻になりすぎず、
いちいちジタバタ空回りしまくり、いきなりなドレスを着たり、
占い師に高額支払っちゃったりというのも笑って観ていられる。
また、いかにもな御曹司ボンボンっぷりを見せるパクさんや、
希美と一緒に「かぁっこいいっっ!」と叫びたくなってしまった
「強盗慶太」こと、強引な手法のIT社長な平澤さんなど、
魅力的な男たちが、そこはかとない時代遅れ感を漂わせながら
次々と現れる辺りも、気持ちよく笑えたり。

あと観ていて助かったのは、礼子-俊介ラインがあったこと。
「仕事うまくいかないし、やめて結婚したいな〜」と言う姉に対して
「そんな勇気もないくせに」と切って捨てて、自分は結婚なんて
考えないで負け犬人生謳歌すると言っている礼子の位置は、
観ていてすごく助かりました。そんな礼子と同じ店で働く俊介は、
最初のうち、「なんでこんな小っちゃい役に新納君?」なんて、
不満を感じたりしたのもつかの間、マイペースな生き方から来る
安定した微笑みで見守ってくれているのが心地よくなってきて。
彼の作りこまない「自然」な感じがとても好きなせいもあって、
店の場面になるたびに、彼に癒されていました。好き〜♪

そうやって考えてくると、テーマが苦手だった割には、
この舞台、結構好きだったのかも?いや、好きじゃないけど。

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03月20日(月)
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