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今日の私
by かずき
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■『ハゲレット』(初日)
<場所>紀伊国屋ホールC列3番
<時間>全1幕19:00〜21:10
<原作>ウィリアム・シェイクスピア
<翻訳・監修>小田島雄志
<脚色>鈴木聡
<演出>山田和也
<出演>ハムレット:近藤芳正、
オフェーリア:笹本玲奈、ホレーシオ:陰山泰、
ポローニアス:石田圭祐、レアティーズ:鈴木浩介、
オズリック、役者、墓堀りほか:福本伸一、
ローゼンクランツ、役者ほか:木村靖司、
ギルデンスターン、役者ほか:桜井章喜、
マーセラス、隊長、牧師 ほか:湯澤幸一郎、
フォーティンブラス、役者、墓堀りほか:土屋裕一、
ガートルード:久世星佳、クローディアス:ベンガル
ものすごーく『ハムレット』でした。
いや、勝手に、「ハゲてることを悩んでいる物語」に
なっているんだと思っていたんですが、思い切り間違いでした。
悩んで悩んで悩みすぎてハゲちゃってるけど、ハゲても、
そのことよりも悩むことが多すぎて、髪は二の次って感じ。
どちらかというと「今、目をそらしたな?そらすな!」と
相手に繰り返しているハムレットは、ちゃんと真正面から
悩みにぶち当たっている証拠として誇らしく思ってる節すら
感じられて、思わず「すげぇ・・・」と感心してしまったり。
先日観た『夏ノ夜ノ夢』とは、ある意味、真逆と言えるかも。
あっちは、福田恒存訳で覚えているセリフが、結構な量、
そのまま使われていたけれど、テーマからして全く違う話。
『ハゲレット』では、小田島訳のセリフには、ほとんど
気づかなかったけれど、『ハムレット』の精神がある感じ。
言葉遣いとか、簡単な設定とかは、
現代風味になっていて分かりやすいんですけどね。
「オフェ」とか、省略した愛称で相手を呼んじゃってたり、
だいたい、オフェーリア、処女じゃなかったりもするし。
個人的には、そこは変えなくてもよかったんじゃないかと
思ったりもしましたが、玲奈オフェのサバけっぷりには
似合っていたから、若干当て書きの部分もあったとか?
「いーじゃない、それくらい」なんて言うオフェーリア(^^;
先王の亡霊の表現方法を筆頭に、笑いも満載。
あんまり周りが気楽に生きちゃっているだけに、
一人で勝手にやたら真剣に悩んでいるハムレットの姿は、
ちょっと可哀相でもあり、可愛げがあっておかしくもあり。
父の死後に、速攻で叔父と再婚した母を責めたところ、
「だって、そうしたかったんだもん♪」と言われる姿も哀れ。
途中でレアティーズが(彼が言うのはキャラがあまり合ってない
気がして、納得いかなかったのですが)「あの方は、ハゲて
ますます味が出てよくなった」とハムレットを評すんですが、
観終えてすごく納得。もうちょっと肩の力抜いて生きな?と、
声をかけてあげたいような、せっかく隣にいるんだから、
もう少し眺めていたいような気分だったりも。
いつも通りのハムレットなのに、こうも見られるんだなと、
とても納得して観終えました。楽しかった。
あ、でも、途中休憩は、ちょっと欲しかったかな。
03月09日(木)
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