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今日の私
by かずき
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■『吉原御免状』2日目
<場所>青山劇場H−35番
<時間>1幕18:00〜19:15、2幕19:35〜20:55
とにかく、きれいだった〜。
紅く塗られた格子や壁が回り舞台に乗っていて、
転換のたびに、光と影を色濃く映し出す中に
色が映えて、回り灯篭や万華鏡を思い出させる。
きついライトで照らしているのに、どうして、
色街のろうそく揺らめく印象になっているのかなあ。
普通の場面の途中でも、格子や建物と建物の間を
通り過ぎていく人のざわめきが、雰囲気を出す。
その中で、堤@誠一郎と松雪@勝山太夫という
画に描かれたような美男美女の織り成す悲恋。
色っぽいし、ちょっと、うわ〜って嬉しくなっちゃう。
ちょうど観たばかりの『エリザベート』に対する不満、
初演にはあった、色気と雰囲気が、ここにはある感じ。
いや勿論、東欧の陰鬱な色気とは全く違うんだけど。
本当に、誰が何といっても、まずはセットと、
それから、堤さん&特に、松雪さんブラボー!
仇っぽさというのかな、とても おいらんっぽい。
古田さんとの絡みで、ちょっと目をそむけたくなるような
場面もあるけれど、おいしい役を見事にこなしている。
対する堤@誠一郎も、人を惹きつけまくる魅力があるのに、
無自覚な辺りがまた魅力という、迷惑だけど惹かれてしまう、
染まっていない感じが意外に似合っていて。ちょっと、
おばば様のように、手を出してみたくなったかも(笑)
うわ〜、すてき(*^^*)とうっとりしている中で、
どうにも不満だったのは、まずは京野ことみ@高尾太夫。
太夫として、この街のトップに立っている存在感や色気、
最後に誠一郎を包み込むような大きさが、ないんだもん。
幕間に友人が「鈴木京香で観たかった」と言ったけど、
めっちゃくちゃ同意。ただし、彼女本人なら勝山の方を
やりたがるだろうというのも同意。脚本からして、高尾は、
いなくても大して関係ないような役になっている印象だし。
それでも存在感を出せる役者はいると思うけれどね。
もう1人不満なのは、おひょいさん。
雰囲気にうっとり〜するだけなら、彼の台詞が
分からなくても、そんなに問題ないといえばそうだけど、
この吉原が実は、女にとっての天国であるという話は、
幻斎が中心になって進んでいくというのに、肝心の人が
台詞を忘れたり、人の名前を間違えたりするのって論外。
相手もフォローしようがない場面で完全に台詞忘れて、
話が止まった沈黙の中に、プロンプの声が響くって・・・。
でもまあ、雰囲気はあるんですが、私の感じたストーリーだと、
話にちゃんと交じって演じてくれても、イメージ少し違うかも。
堤さん演じる若い頃の幻斎にある、トップに立つ力が、
年取って消えちゃってるような印象すらあるし。
古田@義仙は、今回は純粋に悪役。
文句ってほどじゃないけれど、もう一声足りない感じ。
じゅんさんが演るような役だと聞いていたけれど、古田さんの
かわいげや愛嬌がない演技が、今回の舞台に合ってるかも。
裏表のない「これぞ悪役」になっていて方向性は好きだけど、
でも、それならそれで、凄みみたいのは欲しいかなあ。
台本でやってることはすごい割に、迫力は少な目だし。
誠一郎との殺陣なんて、もーーっとドキドキしたいよお。
何だか中途半端に、応援したくなる種のかっこ良さがあって、
素直に誠一郎のかっこ良さにドキドキ見惚れられない。
悪役のかっこ良さには、ゾクゾクしたいんですけど。
役者がフォローできない分、高尾太夫は、もう少し
脚本で書き込んであげたいなという気がしたけれど、
全体的に、劇団員の出番はいい感じのバランスだったかも。
劇団員で、目的の1人である橋本じゅんさんは、
動かない宗冬役が、意外に存在感あって嬉しかった。
愛嬌を抑え込んで、真正面から苦悩する役って、
初めて観たかもしれないけれど、男らしくて好きかも。
でもつい、殺陣を期待してしまうのは・・・ごめんなさい。
あと、堤さんたち以外の大きな殺陣の見せ場が、
梶原善さんvs粟根さんという、ミニコンビだったのは、
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09月09日(金)
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