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今日の私
by かずき
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■「赤い夕陽のサイゴン☆ホテル」
<時間>1幕18:30〜19:40、2幕20:00〜21:00
<場所>ル・テアトル銀座1列13番(センター)
<作・演出>水谷龍二
<出演>
富田幸恵:藤山直美、加賀満男:尾藤イサオ
小野寺功:今井清隆、亀井裕三:渡辺哲
内山ルミ:山田まりや、グエン:佐野瑞樹
バオ:駒田一、メイ:小林美江、タム:宮菜穂子
観光客:秋葉真美子&植栗留美、キエン:堀本能礼
だから結構私、商業演劇も好きなんですよね。
ベッタベタなネタで笑って、人情芝居でホロリとして。
藤山直美さんって、いわゆる「大阪のおばちゃん」の
思わず引いちゃう強さも持ってるんだけど、同時に、
ちょっと可愛い女っぽさもバランスよくある辺りが好き。
別れた夫に会いたくて、苦手な飛行機も頑張って、
サイゴンくんだりまでやってくる。でもそれを、
ちゃっかり、マネージャーの還暦祝にしたてちゃう。
元夫の娘を叱りつけたり、しっかりお節介おばさん。
そんな藤山さんと尾藤さんのコンビに関しては、
まあそりゃあ、合うでしょうと思っていました。
駒田さんも渡辺哲さんも、まったく問題ないはず。
ただ、藤山-今井ラインは、結構心配していました。
私の今井さん評は、「真面目一辺倒で色気がない」。
藤山さんが追っかけてくるような男に見えるだろうか?
皆の笑いのテンポを一人で崩したりしないだろうか?
結論から言えば、やっぱりつまんない男に見えたけれど、
「正直で不器用なあまりに友人に借金背負わされて、
迷惑かけたくないからと別れを切り出した男」には見えた。
ついでに、下手に逆らわずに藤山さんに素直に遊ばれて、
必死で笑いをこらえ、フルフル震えるのまで突っ込まれても、
「たまらないなぁ、この女(ひと)は」とでも言いたげな表情で
彼女を見ている姿が、結構いい感じで似合っていて、
幸恵と功に見えたってのが、意外にもなかなかヒット。
最後の夕陽の中でのド直球な告白シーンでも、藤山さんが
おちゃらけないであげれば、うっとりできたかもと思ったし。
マネージャー氏は、「戦争中に爆弾積んで来たから、
サイゴンは2度目なんだよー」なんて軽く話しているし、
店を売っても返せるかどうかという借金も、日本での
サラリーマン時代の仲間なら軽く借りられる額だったり、
少しずつ引っかかりを混ぜてある脚本も、飽きさせない。
その最大の引っかかりは駒田さん@バオだったけれど、
ガイドをする傍らでヤクを売り、ぼったくり商売をし、
日本人への侮蔑の言葉を吐いて走り去る役でありながら、
あったか人情喜劇の中で重すぎず、いい引っ掛かり。
作者演者ともに、好みのバランス感覚かも。
ストレートプレイではあったけれど、
幸恵が元歌手で、タムは歌手を目指していて、
満男の店ではショータイム歌手を雇っているという設定上、
結構 多くの歌があって、カーテンコールでは駒田さんまで
歌ってくれて、ちょっと得した気分もあったりしました。
宮@タムさん、可愛かったなー。歌は迫力あったし。
山田まりや&佐野瑞樹コンビがぱっとしなかった分、
彼女の一生懸命さ、明るさにも癒されたし。
何を言ってもやっぱり藤山直美ブラボー舞台だけれど、
周りも上手く配置されたまとまりある舞台だったと思います。
さすが、と言うべきかな。
08月10日(水)
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