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今日の私
by かずき
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■『浪人街』(WOWOW放映分)
すごい前評判高かった舞台ですよね。
豪華キャストに、衣装:ワダエミ、音楽:坂本龍一。
そんなふうに言われて少し惹かれはしたけれど、
なんか後一歩やる気にならなくて観なかった舞台。
結果、評判もあまり良くなかったし観なくて納得してたけど、
せっかくWOWOWで放映してくれるなら、ちょうど
唐沢さんなモードに入っているしと、観てみました。


<脚本>マキノノゾミ、<演出>山田和也
<出演>
お新(居酒屋「いろは」看板、巾着切り):松たか子
新牧源内(お新のヒモ、元剣術指南役):唐沢寿明
母衣権兵衛(お新に片思い中の浪人):伊原剛志
赤牛弥五右衛門(酒と喧嘩好きの浪人):中村獅童

藤兵衛(「いろは」主人、お新の育て親):田山涼成
佐吉(「いろは」使用人):木下政治
おぶん(佐吉の恋人、孫左衛門の妹):荻野恵理
土居孫左衛門(国広を売り飛ばした浪人):奥田達士

小幡伝太夫(徳川直参旗本):升毅
小幡七郎右衛門(伝太夫の弟):鈴木一真
近江屋幸兵衛(悪徳商人):花王おさむ

千鶴(源内と同郷で、夫の仇と狙う):田中美里
有村一馬(千鶴の義弟):成宮寛貴

他、アンサンブル40名弱(だったと思います)


やっぱり¥12,500で観なくて良かったと思った。
原作は多分、すっごくマキノノゾミ好みなんだと思う。
無頼の浪人たちが それぞれの思いでかっこよく生きてる。
女に巾着切りさせた金で女遊びしてまわってる源内や、
真剣に生き方考えちゃって、清河八郎(!)らとともに京に
上ろうとか考えては赤牛につまんない奴扱いされる母衣。
酒と喧嘩だけで人生やってて、マジで源内と戦えそうだと
思ったら、嘘ついてお新を捉えさせることも抵抗ない赤牛。

本当は彼らがガーーッと盛り上げて、敵役のさすがの
悪人っぷりも鏡のように映えて、主役のどうしようもない
その日暮らしの浪人連中にベタ惚れして貢いだり
仇のはずが惚れちゃったりする女たちが彩りを添え、
旗本様は生活に倦んでいて、夜鷹を斬って回るわ、
生活のために先祖伝来の刀を売ってしまい、それを
取り戻して宮仕えするため人殺しする武士とかがいて、
時代の雰囲気を見せたりするような話なんだと思う。
きっと本来は、超エンターテイメントな新感線ノリな話。
それなら私だって見てみたいなぁと思うのですが。

それぞれのキャラがね、どうも薄いんですよ。
舞台化するに当たって、群像劇っぽいところを切り捨て、
松&唐沢の話に焦点を合わせようとしたんだろうけど、
その2人がまた、恋愛にちっとも向かない演技なのも辛い。
松さんは『おはつ』で、恋愛話もすごいかもと思ったけれど、
やはりこの人は、自分に指向性のあるキャラが強いようで、
「相手がどんなであっても惚れてる」という色気はない感じ。

ただ最後の方で、数百人の男が待ち構えている状況で、
「それでも勝てる男でなきゃ、お新が惚れるものか!」
みたいな台詞を吐いて、ちょっとビックリした。もしも
最初からそういうキャラなのなら、松たか子で納得する。
でもそうは見えなかったんだよね〜。どうもボケてた。
唐沢の方にも、そこまで惚れさせるような ぞくぞくする
強さが感じられなかったってのも敗因なんだろうけど。

良かったなと思ったのは、母衣と2幕の赤牛。
伊原さんは本当に殺陣が上手いし背も高い分迫力もあり。
生真面目すぎる青年役も、かわいげになるのは得だよな。
獅童は、1幕は暴走っぷりと、素っ頓狂な声の出し方が
うざったかったんだけど、2幕で1升酒を一緒に飲むうちに
七郎右衛門に気に入られ、食客(だっけ?)扱いとなり、
お新で源内を誘き出す作戦を思いついた辺りからがいい。
何度も喧嘩を売ってはスルスル逃げられてきた強い男と、
マジで喧嘩できるかもしれない喜びにいきなり輝く赤牛。
でも、源内が大勢と戦ってボロボロになってるとこ見てたら、
いとも簡単に寝返って、彼らが逃げる しんがりを申し出て、
山のような敵と楽しんで戦って、死んでっちゃうのよね〜。

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09月23日(木)
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