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今日の私
by かずき
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■『レ・ミゼラブル』in中日(綜馬・岡田楽)超長文
再び、音楽とともに雰囲気を変えて現れたジャベール。
自分には理解不可能な市長の行動に、最初は戸惑いを感じるだけ。
その戸惑いが、馬車の一件で疑念に変わるが、その疑念も戸惑い。
だって彼は「バルジャン」は捕まっているということを知っているから。
そうやってきて「♪不思議だ、信じられない」の場面で感じたのは、
このジャベールがバルジャンに執着したのって、市長になっていた彼に
自分が気づかなかったからなんだろうなということだったんです。
逃亡囚は追うのが当然だけれど、バルジャンに対して職務以上に
こだわり始めたのは、その瞬間からかなって。自分に迷いを抱かせるから。
釈放した時点では、ただの囚人24653。多分、それが逃亡したとか
再度捕まったとか聞いても、よくある事例の一つでしかなかったはず。
それが、ジャベールの中で特別な事例になったのはこの瞬間から。
正確に言えば、この時点では、こだわりの相手は「この男」で、
それが犯罪者だと分かった瞬間が、彼の生涯唯一の迷いの原点になって。
「♪ヤツはきっと白状します」とジャベールは言う。けれど「ヤツが白状する
=こいつがバルジャンだという自分の勘が否定されること」である事実。
今まで市長を人格者として疑わなかった自分と、今疑っている自分と、
でもその疑念が間違いだという事実の間の動揺が見える気がして。
多分、 ジャベールはそれまで、「悪人には自分は気づく」と、
「悪人が善人になるなどありえない」の2つの信念に従って生きてきた。
それを覆す唯一の男だからこそ、10年後になっても、目の前の犯罪者を
「どうでもいいゴミ」と言い、彼のことしか頭になくなるほどなんだと実感。
彼の生き方が最も強く感じられたのは、砦に戻ってきた場面でした。
バルジャンに逃がされ、崩れるほど揺らぎかけていた自分の信念が、
落ちた砦でバルジャンが逃げたと知ったことで、また裏打ちされる。
けれど、再び信念を確信できたことへの安堵や喜びは一切見せない。
ただ、立ち上がって再び確信を持って追いに行くだけ。
逸脱しかけた自分の職務と信念に、ただ戻っただけの姿は、
ジャベールとしては確かにあまりにも当然で、けれど私なんかには
考えても見なかった行為で、目からウロコが百万枚ぐらい落ちました。
な・・・長すぎる(^^;
既にテキストで9kb超え(苦笑)携帯で読んでる方、すみません。
あと、やっぱり好きだったのは駒田テナなのですが、駒田さんに関しては
もはや「安心して好き」というか、今更どうこう言わんでもというか(^^;
とにかく、宿のオヤジっぷりから、10年後での「何があった、お前?!」
という変化が好き。何が違うって分からないんだけど、田舎の愛想いい
オヤジが都会の強盗団のリーダーになるまでの凄みの違いかげん。
そして絶対は、下水道。ジャベールが「悪人がいたら追う」のが当然なら、
テナルディエは「死体があったら探っとく」が染み付いた生活なんだなと。
別に凄んでいるわけじゃなく、普通の生活の一場面。彼にとっては
道端で「もうかりまっか?」程度の内容の会話をしている状態で、
滲み出てくる凄みがいいなぁ。これが、10年後のテナルディエ。
カーテンコールは、駒田さんの司会で岡田さん&綜馬さんのご挨拶と、
今日の私的には高笑いしたくなるほど納得で満足なおまけつき。
「じゃあ、浩暉ちゃんから」と言われた岡田さんは、微笑んで前に出て、
まだレミゼは続くので観に来てくださいとか、また名古屋に来たいですとか
自分のことはほとんど言わないのがファンとしては寂しいくらいのご挨拶。
綜馬さんは「皆様の健康を祈って入水自殺いたしました」と、やはり
実は祐一郎さんと同じ事務所にいられる人なんだなぁと思う意味不明の
言葉から始まり、ジャベールとは打って変わりすぎの朗らかなご挨拶。
「奥で浩暉さんと、帰る日が大雨でなくて良かったって話してたんですよ。
ねっ」などと、何かと岡田さんを振り返って「ね?」と相づちを求めながらで、
好青年姿でにこにこと応える岡田君との雰囲気が、男っぽくて好きでした。
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03月17日(金)
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