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今日の私
by かずき
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■『レ・ミゼラブル』in中日(綜馬・岡田楽)超長文
が、プリュメ街襲撃では少々とろいがドスの効いた存在感を感じ、
砦でガブとの絡みの瞬間には「絶対、このオヤジ、子供いる!」と
思った温かみ(ABCカフェでの絡みとは別人!)を感じたんです。
それらが皆、「特別な演技をすることなく」「悪目立ちすることなく」
気がついた時には、そういう人なんだと分かるようになっていた。
強いて言えば視線の上げ方とか、そんな程度のことで。
そういえば、それがレミゼのアンサンブルだったんですよーっ!
悪いけど、別に彼のファンじゃないし、じっと観ていた覚えは全くない。
それぞれの場面で、駒田テナや綜馬ジャベ、岡田マリウスなど、
観たくて観ちゃっている人たちがいるんだから。でも、ふとした瞬間、
プリンシパルではない「この人」を感じさせてくれる上手さがあった。
動く大道具ではないアンサンブルを感じたのは久しぶり。嬉しい。
岸さんが、アンサンブルでほぼ唯一人間に見えたと言うなら、
学生たちの中で唯一フランス人に見えていたのが岡田マリウス。
あんまり楽しくって、幕間、友人に送ったメールの第一声は、
「コスプレミュージカルやってる学生たちの間で、1人だけ
フランス人だから、浮いてる浮いてる・笑」だったぐらいだし。
いやね、多分動きがオーバーだったりしてるんでしょうけれど、
それがあんまり自然だから「あ、フランス人」としか言いようがない。
演技してる日本人の中に、「あ、外人が1人」ってことなんです。
例えばプリュメ街。「♪君を困らせた〜」って帰ろうとしたマリウスが
「♪ああ、君の名前も知らない」って戻ってきた瞬間に、「そうか、
詩を捧げるところから改めてやり直そうと思ったのね!(笑)」と
感じたんですよ〜。「愛する○○へ」と始めるには名前が必要だから
聞かなくっちゃ!って思った思考回路が理解できた自分に驚き。
コゼットも日本人だから、若干バランスが悪いっちゃ悪いけれど、
相手の気持ちを窺ったり、引く時は引くのもおフランス。任せなさい(笑)
「♪もう離さないよ〜」と突進して彼女の手に触れ、相手の反応に
慌てて手を引っ込める仕草も日本には稀な「紳士」なんですよね〜。
そして更に岡田マリウスに惚れたのは、きちんと思想があるところ。
その辺りも、現代日本人とは全然違うのね。何のために戦うか見える。
きっとこのマリウスは、誰もが少しでも幸せになるために戦うんだと思う。
だから、エポが死んだ時も「こんな小さな子が死ななければならない
戦いとは・・・」という感じの嘆きに見えたし、アンジョが慰めるのも、
一瞬手を触れただけにとどめ、大人同士の扱いが感じられた。
ガブローシュが弾を拾いに砦の外に出れば、無意味に見守るだけの
学生たちの中、アンジョルラスの指示で撃ち手を狙って銃を構え、
犯罪者であると告白したバルジャンには、見逃すのが精一杯という感じで
以後、一切目も合わせず「コゼットのため、誓います」と言うだけ。
すらりと若者らしい立ち姿で、品も良く育ちの良さを感じさせる外見からは
意外なほどの思想の強さ、男らしさが魅力的でした。いや、それでも、
ABCカフェなどでの恋に溶けまくりっぷりも見事で、アンジョルラスに
「♪マリウス、分かるけれど」と言われた瞬間、「分かってくれるか!」と
感激で抱きつこうとして、腕一本で思い切り胸を突いて止められたり
する姿に笑っちゃったり、というのも健在だったりするのですが。
ただ1つ、♪カフェソングだけは何かが物足りなかったけれど、
基本的に、「あんた、もう最高!」と叫びたくなるマリウス像が完璧。
そして、今回驚愕したのが綜馬ジャベ。
いえ、前から好きで気になっていたからこその遠征目当てでしたが、
知らない間にこんな物凄い変化していたなんて。信念の強さがいや増し。
オープニングでは、出てきた瞬間に空気が変わってピリッと張り詰めても、
まだ「そうかぁ、ジャベールって音楽も変わるし得な役だよな」とか、
生ぬるいことを思ったりしていたのですが。
あれ?と思ったのは、ファンテーヌの逮捕の場面。
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03月17日(金)
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