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今日の私
by かずき
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■恐ろしく長文の『ミス・サイゴン』感想文
相手役だった、坂健クリス。
人を愛することにかけては、とても優しくて素敵な感じでした。
つい守ってあげたくなるキムだったせいも多分にあると思うけど、
「あなたまでそんなことを言うのね!」とパーンとはねつける姿に、
思わずビックリして ほだされ「一緒に暮らそう」なんて言っちゃって、
抱きしめているうちに本気で愛しくなってきちゃった、流されやすい
単純で素直な、割と純朴系のクリスという姿は、なかなか好き。
♪世界が終わる夜のように だっけ?タイトル覚えてないけど
2人のデュエットも、ラブラブでいい雰囲気だったし。

でも、悩んでねーだろ、お前。(苦笑)
♪Why God Whyとか、エレンに打ち明ける場面はダメにも程がある。
「国にもサイゴンにも空しさを感じていた自分に、唯一キムが真実に
思えた」というストーリーは、坂健クリスには全く存在してない。
ただそれに関しては、ドリームランドや♪Why God Whyさえ忘れれば
たまたま出会ったその夜の娼婦にほだされた話としても通る。
問題はそうなると、エレンに対して何を告白するかってことで。
案の定、知ってるはずの歌詞がちっとも頭に入ってこない場面で、
エレンの苦悩がどこへ行けばいいのか、ものすごく困るクリス。

特に今回の高橋エレンが、すごく苦しむ役作りだったので、
余計にそのシーンの坂健クリスの浮き方はすごいものだったのかも。
キムが訪ねてくる場面、雑誌を読まずに考えて思い悩む彼女。
そこに突如現れた本人を、思いやろうとしても、その余裕がない。
「♪あの子の親はクリス?」なども、わざと訊いている感じが強く、
自分からクリスを奪うかもしれないと思っていそうな切実さがある。
それだけに、エンディングでタムに手を伸ばす場面が辛さを増すし、
女性としての共感度では、もしかすると一番高い作り方かも。

ただ、『ミス・サイゴン』という話全体にする私の好みからすると、
当然、クリスの子を産んだ女性に対する思いはあるとしても、
あくまでも上から見下ろす感じのANZAエレンの方が、
容赦なくアメリカとベトナムの壁が見えて、好きかもしれない。
あと、ソロを歌ってる間は顔が笑ってるように見えるのが嫌かなぁ。
それ以外のときの演技は一貫していてとてもいいのに勿体無い。

もう1人のアメリカ側、岡ジョンは、ある意味、すごく良かった。
登場した女おごる場面は、緑の兵隊服が やたら違和感で、
慣れずに演技まで感じられないうちに終わってしまいました。
2幕でサイゴン陥落の際も同じ衣装で、やっぱり違和感だから、
それはどうしようもないんじゃないかという気が結構する。
どうしてそんなに似合わないかって、岡さん自身にも
似合わないんでしょうけど、岡ジョンの作りが、どうにも
「高級官僚」に見えてしまうからなんでしょうね。多分。
そういう意味では、設定に反していて良くないんだけれど。

でもその他は絶品!めっちゃ腹立つんだもん。特に、クリスが
溶けまくって「♪(あの子は)蓮の花〜」とか電話してきた時の
バカにしたような、ハッ!は絶品でした。思わず笑っちゃったけど、
隣の人も耐えられなかったようで笑いが漏れてて、ちと安心。
その時は、衣装も似合ってたな〜。坂健ジョンだと、何の服?
という感じだった不思議な衣装が、いかにも前線には出ません
って感じの士官服に見えて、細身の岡さんにめちゃ似合う。

1幕は「ハッ!」ぐらいしか目立った部分はなかったけれど、
2幕入って♪BUI DOI。いや〜ムカムカしましたわ。素敵。
見事にスーツを着こなした政治家一族のような雰囲気で。
まさに上流階級というか、こんなに「ゴミくず」が響いてくる
♪BUI DOIって、あまりないんじゃないかしら?って感じで。
その後、クリスが現れたんだけど、彼がまた見事に庶民で、
どう見ても純粋白人じゃないもんだから「僕はこんな人とも
友人なんだよ」って、政治家のパフォーマンス状態(苦笑)
エンディングまで一貫しての嘘臭さは、本当に見事。

最後は、評判の橋本エンジニア。

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09月03日(金)
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