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今日の私
by かずき
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■『阿修羅城の瞳』at新橋演舞場
貴男と私、男と女だけの問題であったでしょうに。」と
恨み言(に聞こえたんですってば!)を言った時、ゾクゾクしました。
天守閣で2人きりになっての会話なんて、秘め事を見ているよう。
あまりにHくさくて正視できず、ドキドキしながら少し上目遣いに
なったりしながら。とてもじゃないがオペラグラスなんて覗けない。
おかげで、最後に阿修羅が出門に何をしたのか見えませんでしたが。
首筋に接吻したの?遠くてよく分からなかったんだよぉ。悔しい。
いや、天海さんも、阿修羅になる前は正直イマイチでした。
女盗賊の頭領っぽい役柄の割に、普通につまらない女だったし、
阿修羅に変貌するほどの思いを出門に持っているようには、
およそ見えなかったというのも、結構 致命的かも。
でも相方の染五郎さんも、本当に好きなのか疑いたい気がしたし、
「鬼殺し」と呼ばれた血染めの過去が見えない軽さだったから、
全体的に仕方なかったことなのかなと甘い評価をしてみる。
とりあえずこの2人は終わり良ければ全て良しモード。
でも、主演2人の後半だけ良くったって、
全体的な軽さ薄さはどうしようもなかったかなという感想です。
ある意味まとまっていて、普段の新感線のパワーを知らなければ、
それなりに満足できたのかもなと思わなくもないのですが。
でも つまんないと感じてしまうのは仕方ないんですよね。
あと別次元の問題として、高田聖子@桜姫と 橋本じゅん@抜刀斎は○。
2人とも、生粋の新感線のテンポと濃さをもって会場を沸かせて。
特に抜刀斎に関しては、舞台のノリを著しく無視した暴れっぷりで、
アドリブの応酬が続かずセリフが止まるのまで笑いにする状態。
2年前の私なら、こんなの演劇じゃないと眉をひそめたと思います。
今だって、他の舞台でこんな事されたら、むかっ腹立てていたはず。
でも、小奇麗にまとまった、新感線以外でも観られるような舞台に
「こんなもんを観に来たんじゃねーっ!!」モード入っていたので、
他のお客さんたちと一緒になって大笑いしてしまいました。
小奇麗にまとめず、演劇らしからぬダメな所はダメのままに、
八方破れなアクの強さが新感線の売りだったはず。
そのアクの強さだけなくなってしまえば、ただのつまらない芝居。
ラスト近くの天海さんのように、正当からシリアスに見せるように
方向転換するなら、ケレンに偏らず、巧さを手に入れなければ。
新感線は、何をしたいのか、どこへ行こうというのか。
2年の間にすっかり新感線好きと化していたらしい私は、
望んでいた「新感線」を観られなかった不満と、
先の不安ばかりを感じてしまったかもしれません。
08月27日(水)
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