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今日の私
by かずき
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■『ハムレット』(野村萬斎)←21時修正済
息子の激昂ぶりは、まさに彼女にとっては罰だったんじゃないかな。
彼女、怯えて見えましたから。自分の罪が招いた息子の狂気に。
クローディアスだって、殺害を決意するまで悩んだんじゃないかなぁ。
「ハムレットを次の王に」という言葉が、いつになく真実に聞こえたし。

・・・とまぁ、随分と違う感じの『ハムレット』を観ました。
気に入ったのは、クローディアスにポローニアス。
まぁこの舞台なら、気に入って当然の立場の人たちですが上手かったし。
ホレイシオに関しては、ハムレットへの愛情が全く見えなかったのが、
意図的なのか単に演技が上手くないからなのかが、最後まで不明。
オープニングの亡霊のシーンなんて、あまりのたるさに熟睡しかけたし、
ハムレットとホレイシオの場面は苛々したから下手だったのかな?
あと、ローゼンクランツは個人的に気に入りました。上手だな〜。
「銅像」フォーティンブラス(この形容は観た人だけ笑ってください)の
この国の人とは違う単純で現実的な感じも、よく出てたと思う。

あと、男性ばかりで演じたことについて最後に書いておくなら、
実は観ている最中は、何も気になりませんでした。声も動きも、
普通の女の人が演じてるのと同じくらい本当に自然に女性で。
でもこうやって思い返してみると、今回の舞台では全く、
「恋」とか「母性」とか、女っぽい感情は感じなかったように思う。
オフィーリアだって、ちっともハムレットに恋してなくって、
自分を守るはずの2人が、殺し殺されたのがショックだったようだし。
もしかしたらこれも、感情移入を制限する手段の1つだったのかな。

最後に。美術は、そういうの好きな人には必見かも。
箱をモチーフにした赤を多用したセットと衣装。
パンフレットを読む限りでは私にその意図は伝わらなかったし(^^;、
私の感じた演技たちとは多少のズレもある意図だけれど、
それでも、美しいことと豪華なことは誰の目にも確かです。

07月04日(金)
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