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たむけん日記
by たむけん
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■【民主党年金改革推進法案vs政府案】
 民主党が年金抜本改革推進法案を提出した。その概要はこちら。
 年金についての争点は沢山あるが、田村が重視しているのは、まずは
@政府の「試算」は信用できない
A年金基金から沢山のムダ遣いをしている
B抜本的改革を全て棚上げしている
の3点である。
 まず@については、今回の政府案において、数年後からは経済成長率がプラスで永続する(具体的には賃金上昇率2.1%、物価上昇率1%という状態が持続する)、そして、少子化の勢いが止まる(現在の出生率1.32%が数年後には1.39%以上で安定する)といったような極めて楽観的な、非現実的な見通しを元に成り立っている数字であり、そのような見通しの甘い試算を基にした制度は誰も信用できなくて当然である。過去においても、厚生省の見通しはことごとくはずれてきた。今までも5年に一度、見直しを行ってきたが、5年前「これから50年はこの制度で大丈夫」とオオミエを切ったにもかかわらず、わずか5年で維持不可能となった。今回の政府案も、10年ももたずに破綻することは間違いない。
 また、政府案においてはも将来的な増税が前提となっているが、小泉首相は「自分の任期中は増税しない」と先送り(タナアゲ)している。自らの支持率を最優先する全く無責任な態度には怒りさえ覚える。
 Aについては、年金基金関係の特殊法人が20以上もあり、厚生省のOBが退職金などをむさぼってきた。グリーンピアなどの施設で数千億円のお金がドブに捨てられた。他にも様々なムダ遣いが指摘されているが、これらの責任は、今までの自民党政権にあるはずであるが、誰も責任を取っていないし、謝罪さえしない。
 Bは、年金一元化については3月30日の日記をご覧頂きたい。若干補足すると、一元化に当たっては、自営業者等の所得の捕捉が難しいと言われている。これも、国税庁(税務署)と社会保険庁を統合して、税金と保険料を同時に徴収することにすれば改善する。さらに納税者番号も導入すべきだろう。

 民主党の案は「数字が無い」という批判をあびているが、それは、厚生労働省(すなわち今の小泉政府)が、試算の根拠となるデータを公表していないためである。そもそも、そのようなデータをオープンにして、国民的議論を喚起すべきなのである。民主党も、そのデータがあれば、具体的な数字を示すことができるし、更に政権を取れば、厚生労働省の職員をスタッフとしてフルに活用できのであり、現時点において、具体的な数字を示せないのはやむをえないことをご理解頂きたい。

04月09日(金)
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