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たむけん日記
by たむけん
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■【年金一元化・徴収一元化】〜江角マキコ事件〜
国民年金の広告に出演していた江角マキコさんが国民年金の保険料を払っていなかったことが話題となっています。年金については、近々、民主党が発表する改革案も含めたご説明を政策ページにアップしたいと思っていますが、皆様に身近な事件?がありましたので、少しコメントしておきたいと思います。
江角マキコさんは日本たばこの実業団バレーボールチームを退団(すなわち日本たばこを退社)してモデルに転身しました。退社の際に、会社員等が加入する厚生年金からは自動的にはずれますので、自由業等の人が加入する国民年金への加入手続きをしなければいけなかったわけです。江角さんは「税理士に任せていたし、年金手帳も保存していたから加入していると思った」と言っていますが、もしそれが本当だとすれば、会社を辞めて国民年金に入るべきことを知らなかったということです。
江角さんに限らず、そういうことを知らない人も多いのかもしれません。やはりそれも、国民年金、厚生年金(更には公務員のための共済年金、議員のための議員年金)と年金制度が分かれてしまっていることが一因です。このように年金制度が分かれてしまっていることの最大の問題点は、各年金の間に大きな不公平があること(議員年金や共済年金の優遇など)ですが、江角さんのようなミスを招かないためにも、誰でも同じ年金に入る制度に一元化すべきです。民主党は年金一元化を柱とした「抜本的」改革案を提出しようとしていますが、それを見た小泉首相は突然「1年かけて民主党と議論したい」と言い出しました。政府の案があまりに「その場しのぎ」で抜本的改革にほど遠いことを自ら認めたようなものです。
今回の江角さんの事件については「むしろ責められるべきは社会保険庁」との意見もあります。確かに、社会保険庁が、江角さんが保険料を払っているかどうか確認するのは簡単なことですが、社会保険庁の年金広告担当者が、江角マキコさんサイドから受け取った資料に「江角さんは保険料を払っている」と書いてあったのを信じてしまったことは、ある程度、同情の余地があります。あらゆる商売に当てはまることではありますが、イメージを大切にする広告という仕事(契約)においては特に、お互い(この場合は社会保険庁とタレントである江角マキコさん)の「信用」を前提として契約を結ぶわけですから。先日、結婚していたことを隠していた若村真由美さんがCMを降板させられた、というのも、そのような「信用」を失ったからです。
また、江角さんの税理士は、江角さんが年金を払っていると思い込み、保険料控除を書き込んで税務申告をしていたということですが、これも、税金は税務署、保険料は社会保険庁、とまったくバラバラに徴収しているためチェック機能が無いことが原因の一つです。お互いのチェック機能が無いこと、非効率なこと(余計に沢山の職員を必要とすること)、税金は皆納めるのに保険料を払わない人は沢山いること、などの問題点があるため、10年以上前から税金と保険料の徴収をすべて税務署がするべき、という意見はありました。私もずっとそう思ってきました。しかしながら、厚生労働省が自らの組織・権限を失いたくないため、そしてまた、自民党政権の問題意識があまりに薄かったため、その議論はまったく進みませんでした。ようやく今ごろになって、両者の情報交換を始める方針が固まったとのことですが、私はただただ「遅きに失している」と感じるだけです。保険料の不払いを解消する最善の策は、税金と保険料の徴収一元化であると私は考えていますし、民主党もその方向で議論を進めています。
03月30日(火)
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