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たむけん日記
by たむけん
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■【北朝鮮について】
 今日から6ヵ国協議が行われている。それに先立ち、外為法改正が国会を通過し、更に特定船舶(要は北朝鮮からの船)の入港禁止する法案も審議される見込みとなっている。対北朝鮮外交において、このような「カード」を持つことは良いことだと思う。しかしながら私にとっては「今頃ようやく」との思いが強い。
 拉致問題について、小泉首相の訪朝以前、社会党や有力自民党議員がいかにひどい対応をしていたかは、メディアもよく取り上げているが、その中で、外為法改正などの手段導入を唱えている議員は当時からいた。私がお世話になっている浅尾慶一郎参議院議員(→リンク)も、数年前に文藝春秋に論文を発表していた。小泉首相訪朝以前の、自民党・外務省の弱腰・怠慢はどれだけ非難されても仕方がないことだと思う。
 政治家は時として世論をリードしなければならない局面がある。外交も、複雑な世界情勢を踏まえた各国の「駆け引き」だから、政治家の「先を読むセンス」は非常に重要なはずだ。小泉首相訪朝以来、世論に尻をたたかれる形で北朝鮮への強硬姿勢が取られるようになったのは、遅きに失している。
 目を転じて、経済外交ではどうか?WTO(世界貿易機構)一辺倒でひたすら「国際協調」という幻想を追い求めるという姿勢から脱却し、2国間のFTA(自由貿易協定)を推進するスタンスに転じたのはわずか数年前。他の先進国に10年以上遅れた。
 外交に限らない。構造改革を含め、あらゆる政策分野で、後手後手の対応を繰り返してきたツケはあまりに大きい。その責任はいったい誰が取ってくれたのであろうか?
 話がそれてしまったが、対北朝鮮外交についてもう一言。日曜日の「報道2001」(フジテレビ)で、前原誠司・民主党「次の内閣」外相が川口外相に対して「もっと外相ご本人が各国に出向いて活動すべき」と主張したのに対して、川口大臣が「外務省の事務方がしっかりやってくれている。そもそも国会会期中に大臣が出張できるようにしてほしい」と言っていた。外交はトップ同士の人間関係が大きいし、日本政府のスタンスなど、同じことを事務方(官僚)が伝えるのとトップが直接話すのではインパクトが違う。小泉首相とブッシュ大統領の友好関係があれだけ宣伝されている一方で、アジア諸国のトップ(首相や外相)との関係強化があまりに軽視されている。官僚出身で政治家でもない川口外相の限界を感じた。また、「国会会期中に大臣がなかなか出張できない」というのも、今まで自民党政権がそれを変えようとしなかったためだ。自民党の多くの議員が、首相・大臣の海外出張を軽視してきた証左ではないだろうか。(更に言うなら、遊びの海外出張が多かったことが背景にあるのではないだろうか?)

02月25日(水)
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