ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384454hit]
■7918,閑話小題〜
・・・・・・
7575,閑話小題 〜読書日記―『サル化する世界』
2021年11月22日(月)
『サル化する世界』 内田樹・著
* 時代の境目は、何事も本質化する
思いもよらね『パンデミック禍』と、中国の台頭で、世界は激変の過程にある。
そこに出てくるのが卑しい独裁者の出現。その事例そのままが、百年前に、その
ままあった。人間は猿そのもの。世界は、自然破壊でオゾン層を起因した危機に
陥っている。時の権力者は、己の権力維持を最優先して、その問題を後送りする。
Amazonのビュアには、この説の要約が纏められてある。
≪冒頭のサル化の話、時間意識と関連づけた批判について大きく共感するところが
ありました。 本質的な喩えは、サルでなくても、他の動物、ブタでも良いとは
思いますが、「今さえよければ、自分さえよければ、それでいい、という人間が
多数派を占める」と、確かにそうでしょう。しかし、著者の思い込みで、単純化
したロジックで物事を展開しているように受け止められるところも多々見受け
られます。一例、P56、中国モデルを模倣による心理的な抑制の流れから、韓国に
ついて「嫌韓嫌中言説はこの二つの成功モデルに対して、競争劣位を味わっている
日本人の嫉妬から生まれたものだと私は見ている」と、それ以下に展開され、唖然!
「安倍政権は、無意識にではあるけれども」云々、無意識って!それで批判されて
もね。評者は、所謂右でも左でもなく、ストレートに言えば双方の極端な思い込み
にうんざりさせられますが、嫌韓の理由は、決して競争劣位ではありません。
評者はビジネスの最前線で韓国人や中国人とも交流があり、いわゆる切った張ったの
世界から見れば、著者の主張は個人的に矮小化された物言いに映ります(嫌韓雑誌の
思い込み主張と変わらない)。主観的な、言いっ放しが許されるアカデミックに
いる人の主張といえばそれまでですが、具体的なエビデンスは無くても良いので、
せめてもう少し他の可能性、多角的な視点を示して頂ければ、良かったのではない
かと思います(著者の他の著作は知りませんので本作ではということです)。 ≫
―
≪ 驚きだったのは、
◉ 1番目に、中盤の第3章「"この国のかたち"考」にある「比較敗戦論のために」。
たとえば、フランスが実は敗戦国であることと、それを権謀術数を弄して隠蔽
し続ける事により生じた悪弊に今現在も苦しんでいること。
敗戦国のドイツが、「戦勝国」である東ドイツとの再統一で直面した歪み、
実はいまだなされていない「国民的合意」。日本の同盟国=敗戦国であったはずの
イタリアが、実は最後の最後1945年7月になんと日本に宣戦布告した「戦勝国」で
あることなどだ。
◉ 2番目は、第4章「AI時代の英語教育について」で提案される「成績をつけない
教育」(2018年6月の講演採録)。「目標文化」が眼中になく「目標言語」のみを
奨励する英語教育。先般、文科大臣の「身の丈にあわせて頑張れ」発言(2019/10月)
により空中分解した「英語民間試験導入」は、政府の本音が図らずも露呈してしまった
ことなのだなと合点が行く。「今さえ良ければ、自分さえ良ければ」に突き進む教育。
こういった"反知性主義"がもたらす致命的な現場の荒廃への対抗策、ではなく
教育が本来あるべき姿、それが「成績をつけない教育」と丁寧に説明された上で
断言されている。賛成。難解な本ではない。じっくり読めば誰でも理解できるように
丁寧に書かれている。知らない言葉はスマホで辞書を引き引き読んだ。知らない事
が満載だった。
◉ 最後に、印象に残った言葉。
『悲観的にならない、怒らない、恨まない。そういうネガティヴな心の動きは
すべての判断力を狂わせます。危機的状況下では判断力の正確さが命です。にこに
こ機嫌よくしていないと危機は生き延びられません。眉根に皺寄せて、世を
呪ったり、人の悪口を言ったりしながら下した決断はすべて間違います。すべて。
ほんとにそうなんです。不機嫌なとき、悲しいとき、怒っているときには絶対に
[5]続きを読む
11月22日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る