ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7318,閑話小題 〜『すばらしき世界』 
    * 映画・感想
             ―すばらしき世界―
 佐木隆三の「身分帳」をベースに現代に置き換えて物語を構築してある物語。
暗い内容のようで、少し躊躇ったが、然程、暗くはない内容。85点か!
10年前に倒産、会社整理を経験した身で、一種の社会的マイナーを背負って10年
経過した。要するに、マイナーを背負って生きる身分は前科者と同じ。問題は、
受止め方次第。「三月に一度は、何とも陰湿な嫌がらせ、罵倒はあるもの」と
覚悟していたが、思った通りである。ウダツが上がらない人生の人ほど、自らの
傷口の膿を他者に塗りたがる。その人の生きてきた通りの嫌がらせの筋書きの
面白さは何ものにも変えられない味わいがある。何時の間にかツラの皮が厚く
なってしまった。育ちの良し悪しが、その人の宿命として、コビリ付いている。
マイナスの牡蠣を舟底にビッシリ貼りつけて、彷徨う人たちの膿ほど、悪臭が
強いもの。
   =映画サイトのレビューより=
≪ 主人公三上(役所広司)は人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯で、
 身元引受人の弁護士夫婦(橋爪功、梶芽衣子)の庇護の下、再出発を図ろうと
するが、世間の目は冷酷で、様ざまな局面で、三上は疎外感を味わう。正義感が
滅法強く、一本気で直情型なのに、ひとたび激高すると手の付けられない凶暴さ
を見せる。この得体のしれない怪物的なキャラクターを役所広司は見事に演じる。≫

≪:六角 僕は映画『復讐するは我にあり』も大好きだったし、なぜか裁判の
 冒頭陳述を読むのが好きなんですよ。『身分帳』も興味で読んだのですが、
たしかに平凡な日常の話ですよね。 主人公は殺人を犯しているんですが、
殺人者の話というより、普通の中年男の生活をそのまま描いたようなイメージ。
佐木さんは犯罪小説をたくさん書いていますが、こういう切り口はなかった。
犯罪小説の中では異色だなと思った覚えがあります。
──佐木さんが『身分帳』のモデルの人物と出会ったのは彼が出所後、佐木さん
のところに前科十犯の受刑歴や生育歴が詳細に記された「身分帳」の写しを
送ってきて、これで小説を書いてほしいと頼まれたのがきっかけでした。
「身分帳」は本来、刑務所の内部資料で門外不出なのですが、彼は自分の裁判の
際に被告人の権利で全部書き写していたんですね。 一般には見られない資料
だから佐木さんも興味を持って、そこから付き合いが始まった。小説『身分帳』
は出所後の彼の生活を描きながら、随所に「身分帳」の記述が挿入される形に
なっています。西川 私は『身分帳』の映画化のために、主人公・山川一の
手掛かりを求めて、三年かけていろんな人に会って話を聞いたのですが、関係者
以外はこの小説の存在を知っている人がほとんどいなかった。「佐木隆三さんの
『身分帳』という小説があってですね」と言って反応があったのは唯一、現金
輸送車強盗をして何年間か刑務所にいた人だけでした。刑務所の中には「官本」
といわれる、受刑者が自由に読める本があって、その官本で読んだと言う。
:六角 官本で読んだ人がいるんだ。
:西川 photoええ。やっぱり自分たちの境遇に近いものに興味がいくそうで、
 「それまで読書なんかしなかった人でも、刑務所の内ではやることがないから、
ものすごく読書家になるんですよ」とおっしゃっていた。でもそれ以外は誰も
知らなくて、台本を読んだ六角さんに、「これ『身分帳』ですか?」と言われた
とき、ああ、うれしい! 読んだ人がいたんだと。それくらい、今はほぼ完全に
忘れられている本なのだと、取材の過程で実感したんです。こんなふうに
山川一の人生も、佐木さんがこれを書いた思いも全部忘れられてしまっていい
のかと、なにか義憤のようなものが湧き上がってきて。
 六角さんがなぜか冒頭陳述を読むのが好きだという、その気持ち、私にも
すごく分かるんです。別に自分で誰かを殺したいと思ったわけでもないけれど、
何か犯罪を描いたものに惹かれてしまう。六角 こういう言い方をすると語弊が

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03月07日(日)
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