ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7240,閑話小題 〜ラスト♪ソング =2
             『ラスト♪ソング』佐藤由美子著
 目を閉じて、自らのラストソングを考えると、思いのよらない曲が魂の底
から湧き上がるのは何だろう… これはと思う程に次々と湧き上がる。魂の
故郷は、幼児の頃の原風景というが…こういうこと。4〜5歳頃の年末、年始
のジングル・ベル、ホワイトクリスマス、正月ソングなどなど、姉、兄と過ご
した曲が次々と…。
 両親が長岡戦災の焼け跡から、新しい事業を立ちあげようとしていた時節。
子供ながらに、毎日が新しい経験を家族供ども、生きていた。そのバック
グランドには、流行歌が流れていた。地元の駅前の一等地には次々と競合店が
近隣に出店。子供ながらに眠れない日々が続いていた。 頼れるのが、その日の
売上。一つ間違えると、一家が路頭に迷うのが商売。そのため、両親だけでなく、
兄姉たちは、家族として結束をしていた。それらもあって、この本には直に反応。
魂の底流に流れているのが、特に年末の繁盛時に流れていた流行歌。死ぬ時は、
これらのソングが、『ラスト♪ソング』になる。
 この本を読みながら、20歳時に創業を思いたったのが、正解だったと気づく1!
人生のピークポイントは、あの時節に有ったようだ。 激流に漂う木の葉に、
家族がシガミツキ必死に生きていればこそ、そこが魂の故郷!
そのバックグランドで流れていた音楽こそが、『ラスト♪ソング』になる。…
 …当時の現実は、そう甘くはない。兄4人のうち、3人が、その渦中に亡く
なっていた。姉4人は、緊張の日々の中で、欠けることもなく生き抜いたが、
敗戦からの再生プロセスでは、極限状態にあった。それは我が家族だけでなく、
一般国民が総じて同じ状況であった。このコロナ禍で、危惧しているのは、
世界戦争である。いつ何時、戦争勃発の可能性があるため!独裁者にとって、
混乱をする程、権力が集中するため、欠くことが出来ない物語のなるからだ。
トランプのように、わざわざ、世界とアメリカを分断しようとする企みと
想えてしまう振舞いもあった。 …まだまだ序盤でしかない。

≪◉ 死が迫った患者にも聴覚だけは残っている。著者が音楽療法士として最初
 に担当した80歳の末期がん患者テレサはほぼ意識がなくて眠ったままだった。
ベッド際には息子と娘が見守っていた。 著者がギターを弾きながら「エーデル
ワイス」を歌うと息子と娘が母親との思い出を語り始めた。その後でリクエスト
に応えてテレサの好きだった「きよしこの夜」を著者が歌い始めるとテレサに
変化が起こった。それまで閉じていた目がまばたき、やがてしっかり見開き、
にっこりと微笑んだのだ。そして、著者が最後のフレーズを歌いきり、歌声が
消えると同時にテレサはゆっくりと息を引き取った。(1章、きよしこの夜)

◉ 音楽療法とは、患者とその家族の心身の健康の回復、向上をめざす音楽を活用
 した治療法である。この治療法は、死に直面する患者のための施設である
ホスピスにおいてとりわけ重要な役割を果たしている。患者へのケアは、患者が
残された時間をどれだけ有意義に過ごせるかに焦点を当てるが、そのために音楽の
力が役立つのだ。著者は19歳で渡米し、大学院で音楽療法を学んだ後にホスピス
専門の音楽療法士として10年間働いてきた。本書には著者にとって忘れられない
10人の患者のエピソードが曲とともに紹介されている。

 敬虔なカトリック信徒であった母親 =「きよしこの夜」
ジャズシンガーだった老人 =“What a Wonderful World”
囚人の息子との別れ =“Love me Tender”
長男の高校卒業までは生きたい =「輝く日を仰ぐとき」
死の前に知る大切なこと =「千の風になって」
よみがえる忘れられない恋 =“Unforgettable”
一人娘を残しての別れ =「椰子の実」
母を亡くした深い悲しみ =“The Rainbow Connection”
受け継がれるユダヤ人の悲しみ =“Over the Rainbow” 
なつかしの沖縄の海 =「すべての人の心に花を」  

――

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12月13日(日)
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