ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7114,映画観賞 〜海辺の映画館-キネマの玉手箱
大林宣彦が構築した世界の映画とは何かを、この感想を書くにあたりを
調べて初めて知った。3時間、延々と続く色いろな時代のシーンに入って
いくため、頭が混乱しないでもないが… 地元・長岡藩が出てきたのは驚いた。
圧巻は原爆投下前夜の広島の舞台。投下の死者に、‘ピッカ’と‘ピカドン’
で亡くなった人たちが分れていたのも始めて知った。ピッカは、投下と同時に、
ピカドンは、数日生きて亡くなった被災者。 映画を観ていた青年の3人が、
リアルな体験が、何とも現場感覚がある。途中まで、物語に違和感があったが、
この映画をみている1人の観客の目線と、映画館の観客の目線と、映画の世界
に入りこんだ目線の混乱が逆に、それぞれの異次元世界に抵抗なく入りこめた。
--
【 尾道の海辺にある唯一の映画館「瀬戸内キネマ」が、閉館を迎えた。嵐の夜
となる最終日のプログラムは、「日本の戦争映画大特集」のオールナイト上映。
上映がはじまると、映画を観ていた青年の毬男(厚木)、鳳助(細山田)、茂
(細田)は、突然劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界にタイム
リープする。江戸から、乱世の幕末、戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争の沖縄…
…3人は、次第に自分たちが上映中の「戦争映画」の世界を旅していることに気づく。
そして戦争の歴史の変遷に伴って、映画の技術もまた白黒サイレント、トーキー
から総天然色へと進化し移り変わる。3人は、映画の中で出会った、希子(吉田)
、一美(成海)、和子(山崎)ら無垢なヒロインたちが、戦争の犠牲となっていく
姿を目の当たりにしていく。3人にとって映画は「虚構(嘘)の世界」だが、彼女
たちにとっては「現実(真)の世界」。彼らにも「戦争」が、リアルなものとして
迫ってくる。そして、舞台は原爆投下前夜の広島へ——。
そこで出会ったのは看板女優の橘百合子(常盤)が率いる移動劇団「桜隊」だった。
3人の青年は、「桜隊」を救うため運命を変えようと奔走するのだが……!? 】
〜視聴者・感想…より
<大林宣彦監督の遺言状と言える映画であり、中原中也の詩が〔キーワード〕
として何回かでてくる。
広島県尾道市のとある街の映画館〔瀬戸内キネマ〕館の閉館の日に日本の戦争
映画の特集がオールナイトという形で上映されるところから本編が始まるが、
プロローグとして宇宙船が登場してきて爺(高橋幸宏)が宇宙的価値観で過去に
犯した戦争の愚かさを語る。直感的に脳裡に浮かんだのはDリーン監督の
『戦場にかける橋』のファーストシーンで鳥が空を飛びながら人間が行っている
愚かな行為を俯瞰で見つめているカットであり、最後にもう一度出てくる。
この映画もやはりエピローグとして〔宇宙船〕(語り部として)登場する。
ストーリーを追ってみるような軟(やわ)な映画ではなく、約3時間の長丁場を
〔おもちゃ箱〕をひっくり返したような奇想天外な大林ワールドが独特な映像
マジックを駆使して展開されていく。
大林宣彦が構築してゆく世界に入り込んで行けないと実に訳の分からない苦痛
の時間を体験することになる。僕も最初の1時間は???!!!の何!これ!の連続で、
小津安二郎と山中貞雄両監督が登場する辺りから、作り手の〔意図〕がおぼろげ
ながら見えてきて、映画という虚構の世界が生み出す〔世界平和〕の願いを
これからの世代に託して(宇宙に漂う赤ちゃん)幕を閉じる。
チケット売り場の老婆役 白石加代子が最後の最後で儲け役を演じてくれたし、
ピアノを弾いている大林宣彦監督の後ろ姿が映される場面は胸に迫ってきた。>
――
▼ 時がコロナ禍もあって、観客は10〜20人レベルと思いきや、50^60人とは
驚きだが、大林監督の遺作といえば、当然だろう。こころ、ここにあらずで
観ていたこともあり、いま一度、観ても良いが、TV放映を待ちますか!
・・・・・・
6747,閑話小題 〜電動マッサージボール
2019年09月05日(木)
* 新たなマッサージャー
腰痛持ちで、様々なマッサージャーを購入して自己治療をしてきた。
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09月05日(土)
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