ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6970,閑話小題 〜何ごとも娑婆の見納め 〜2
* 秀逸な‘新型コロナ’の批評記事より…
私の創業準備を含めた45年 の 事業人生のハード・ランディングの最期の一撃が
「リーマンショック」と「東北大震災」である。この二匹の同時の黒鳥到来より、
今回の黒鳥は遥かに大きいようだ。 この二波、三波が、必ず到来する。という
ことは、<サッサと転職か、転業を決断すべし>になる。 問題は、別口の
シェルターを、事業設計に用意してあるか否か。比較的順調に乗越えてきた
ところほど、この事態は厳しい。
ここに「自分だけは大丈夫というバイアス」が。
≪ ◉ 新型コロナウイルス感染症による経済打撃は、リーマンショック以上の
規模になるのではないかと見ています。最大の理由は、リーマンショックが
「川上から川下へ」という流れだったのに対し、今回のコロナショックは、
逆に「川下から川上へ」と影響が広がっているからです。
以下で、新型コロナウイルス感染拡大が世界経済にどのような形で影響を
及ぼすのかを考えてみたいと思います(あくまで筆者個人の見解である)。
◉ リーマンショックとは逆の流れ
リーマンショックの発端は、米国のサブプライム住宅ローンの不良債権化でした。
これらの信用不安に伴う金融機関の破綻や、公的資金注入によって、世界中で
株価が大きく落ち込み、消費や生産活動の低迷を招いたことで、世界的な大不況
を巻き起こしました。
リーマンショック時、皮肉なことですが、当時の日本は長引く不況もあって
関連債権への投資額が少なく、おそらく先進国としては初動のダメージが最も
少なく済みました。しかし日本国外での生産および消費が大きく落ち込んだ
ことで、結果的に日本の実体経済も大きな打撃を受けることとなりました。
このリーマンショック時における経済への影響は、
「金融業 → 製造業(2次産業、生産) → サービス業(3次産業、消費)」
という流れで波及していったと言えます。金融の信用不安発生によって製造業の
キャッシュフローが滞り、生産が落ち込んだことで個人消費が冷え込み、
サービス業も打撃を受けていったという流れ。
◉ 観光業、飲食業、小売りから影響が拡大
これに対し今回のコロナショックは、逆の流れで影響が広がっています。
コロナショックで最初に影響を受けた業界は観光業であるといって間違いない
でしょう。中国において1年のなかで最大の旅行シーズンである春節(旧正月)
直前に実施された武漢市封鎖、それに伴う自粛命令によって、日本を含む世界
各国の観光業者が大きな打撃を受けました。
その後、各国の外出自粛命令によって飲食業や小売業も大きな打撃を受け、
感染者の隔離政策や工場稼働停止命令などにより製造業の生産活動も大きく阻害
されました。特に製造業においては、物流も止まったことからサプライチェーン
の寸断が起こり、今もなお多くのメーカーで供給面での混乱が続いています。
そして3月に入って欧米でも感染症の流行が広がると、冒頭で述べた世界的な
同時株安状況が発生しました。
以上の流れは「消費 → 生産 → 金融」という順番です。つまり、リーマン
ショックが川上から川下へと影響が波及したのに対し、今回のコロナショックは
川下から川上へ波及していると言えるでしょう。
◉ 財政出動は処方箋となるのか
こうした経済危機の“震源地”の違いは、各国政府の財政出動の効果に影響を
与えます。 前述の通り、リーマンショック時は、まず川上に当たる金融業界の
信用不安やデフォルトによって資金が滞り、川下である製造業においてキャッシュ
フロー問題を引き起こしました。それだけに、公的資金注入といった金融機関救済
をはじめとする政府の緊急財政出動は即効性のある処方箋となり得ました
(もっとも、当初はEUをはじめ誰が最終的な負担を請け負うのかで揉めたため、
財政出動が必ずしも迅速に行われたわけではありませんでした)。
今回のコロナショックは、小売をはじめとする第3次産業の現場が震源地です。
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04月14日(火)
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