ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6433,死について考える 〜『樹海考』書評を読んで…
数年前に青木ヶ原の樹海を舞台にした日米映画をTVで見た。そういえばと、
HP内検索をすると、4年近く前に、書いていた。二本とも暗く地味だが、『死』
に直結するシリアスの内容だが、TVの興味を引くだけのレポートとは一線を
隔している。死を求めて彷徨う姿を通して、自分の死の問題を考えさせる。
まず、アメリカ映画
《 樹海へ赴いたアメリカ人と、そこで遭遇した日本人との出会いを描いたもの。
自殺の名所として知られる日本の青木ヶ原樹海を舞台に、マシュー・マコノヒー
&渡辺謙共演で描いたドラマ。 人生に絶望して自殺を決意したアーサーは、
富士山麓に広がる青木ヶ原樹海を訪れる。磁石が狂い携帯電話も通じない森の
中で、出口を求めてさまよう日本人タクミと遭遇したアーサーは、怪我を負って
いるタクミを放っておけず一緒に出口を探すことに。過酷な状況に立たされる中、
アーサーは運命共同体となったタクミに次第に心を開く。やがてアーサーは、
自分が死を決意するきっかけとなったある出来事について語りはじめる。》
一方、邦画の『樹海のふたり』は、
《 お笑いコンビ「インパルス」の板倉俊之、堤下敦を主演に、自殺志願者を
取材したテレビディレクターたちの体験談をもとに、悩みや苦しみを抱き
ながらも生きていくことへの希望を見出していく人々の姿を描いたヒューマン
ドラマ。フリーの落ちこぼれテレビディレクターの竹内と阿部は、なんとしても
視聴率のとれる番組を作ろうと、富士山麓の樹海で自殺志願者を追う。
しかし、彼らの人生に触れるうちに良心の呵責を感じた2人は、自分たちの行動
に疑問を抱きはじめ、それぞれが抱えていた問題に向き合っていくことになる。》
―
あまりにシリアス過ぎた記事で休刊に追込まれた『新潮45』10月号の書評に
<『樹海考』村田らむ著>があった。書評としても、なかなか的をついている。
≪・青木ヶ原樹海のイメージというと、多くの人は『自殺の名所』と答える。
実際に樹海を擁する山梨県では自殺対策事業を続けており、自殺防止として、
ボランティア監視員を多数、配置している。私などは、人工的な都会生活に
疲れた人が樹海に死に来ると思っていた。死までが管理されている都会ではなく、
野生動物がそっと消えるように自分の意思で自然に還りたいと考えると…。
・これまで20年にわたり、100回以上樹海に入ったという著者自身も、樹海を
歩くと自然の大きさを感じ、自分が大事にしているモノ、仕事や家族や、
お金や、命などどうでも良いモノなんだと思えてくるという。大自然である
樹海を前にしたら、人間などひれ伏すしかないと。
・だが本書で著者はいきなり、樹海はコンパスがグルグル回って利かなくなる
人外魔境ではなく、洞窟やキャンプ、名物料理まで楽しめる観光地という。
自殺スポットとして脚光を浴びたのは自動車文化で気楽に樹海に訪れるように
なったためだが、それは外周部の話。その内部はディープの内容で満ちていた。
風光明媚な観光地であり、同時に死と隣り合わせた異界でもある。美しさと
怖さの陰陽を兼ね備えた場所、それが青木ヶ原樹海だ。本書はガイドブックと
ノンフィクションを兼ね備えた‘樹海’のような一冊といえよう…
・864年の貞観大噴火の溶岩が湖を埋めてできた樹海。たかが1200年しか
歴史がない。地面は溶岩のため、木々は値をはれず、成長すると倒れて
しまうため、生命の種類が少ないという。それが異界の不気味さを増す。≫
―
写真をみると、ヤクザの死体の捨て場という噂が、然もありなんと思わせる…
自然に還りたいという本能が、樹海で野垂れ死の願望になるのか…
――――
5060,閑話小題 ー樹海のふたり
2015年01月21日(水)
* 映画「樹海のふたり」
録画をしていた映画の「樹海のふたり」を先日観たが、何とも味わい深い。
富士山麓の樹海で、自殺者のTVレポート番組を何回かみていたこともあり、
WoWoWを録画をしていたもの。 重い内容を軽いタッチで飽きさせない内容。
〜ネット検索の内容より〜
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