ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4793,「消費される物語」 ー3
朝日新聞(4月22日) 耕論「消費される物語」
* 自己完結せず外へまなざしを 作家・高村薫
毎日、一文章を書き終える自己完結に精一杯で、内々に凝り固まっている現状を批判するに、丁度良い内容のようだ。
それも、13年間にわたって、束縛されてしまっている自分にである。 ーその辺りからー
《 ■「我々の社会」という物語が揺らいでいるため、物語は過剰な作られ方をしているー
人間の社会があるところには必ず物語が誕生します。原始時代でも自分たちの集落とその外を分ける物語があったはず。
日本で「古事記」や「日本書紀」が編纂されたのも、律令国家が確立して自らの国史を欲したから。つまり、物語は人間が
生きていくうえで必要なものなのです。私たちの国、私たちの王、家族、これらはすべて物語です。 物語の特徴は、
自分たちが見たいもの、好ましいものを取り入れる一方で、見たくないもの、不都合なものは排除することができる
ところにある。つまり虚構です。私たちは物語という虚構を消費しながら生き、社会は虚構に支えられて維持されている。
ですから、今日さまざまな物語が次々と作られているのはそれほど不思議なことではありません。
ただここへきて、その物語の作られ方が年々過剰になっているのは「私たちの社会」という物語が揺らいでいるからです。
例えはグローバル世界では、人やモノの自由な往来が国境をなくしてゆくだろうと予想されていたのに、実際には世界の
あちこちで「私たちの国」という物語が不安定になって、その穴埋めのために過剰な物語が生まれています。
ナショナリズムの台頭もその一つです。社会不安が増したり、経済状況が悪化したりして、人ぴとが自信や幸福感を失うと
アイデンティティーも揺らぎます。それを補うために、ことさら物語を増幅させているのが今の世界です。
これまでと大きく方向性の異なる安倍政権が誕生したのは、新しい物語を語ってくれそうだという朋待が有権者にあるからで、
それが高い支持率の正体かもしれません。
日本では、戦後続いた経済的な繁栄という物語が崩れた後、社会をまとめる物語がなかなかできません。1990年代以降は、
心の余裕がなくなつて、物語がより内向きになっています。人は誰でも、より心地よい物語の方に惹かれます。社会にはかって、
本筋を外れてはならない暗黙の了解というか、節操があったと思います。明るい未来が見えているときには、外に向かって
積極的に開いていくことができたのですが、それが出来なくなってしまった。》
▼ 13年間で、5千近い文章、物語を書き続けてきたが、これが私を、更に内向けにしていた。これで、都合の良いように
物語化して、都合の悪いことを排除していたのである。混沌とするほど、それが大きくなっていくのを、冷笑して、
改めて読み返すのも、また、都合の良い物語である。小さく、小さく、自己完結をしていただけだったのである。
その知識を加えて、これからの文章を書いていくしか、現在の私には術がないが。自己完結するから、次に進むことが
出来るともいえる。そういえば、単調な自己完結した日々を繰り返している現状を、改めて考えてみようか?
読者の一部には、これが見えていたのだろう。 今さら、自分は自分でしかない!と、思わなくては、ボキッと折れる。
・・・・・・
4426, 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 ー9
2013年04月29日(月)
「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」 橘玲著
* 日本人は実は会社が大嫌い
これまで年功序列と終身雇用の日本的システムこそが人々を幸福にすると信じて疑わなかった。が、実はサラリーマンは
昔から会社が大嫌いでガマンして働いていただけ。それが出来たのは高度成長でパイが拡大していたため。 バブル崩壊で
景気が落ち込むと、日本的雇用制度が虚構の上で成り立っているのが露呈してきた。 著者は、ここで、
《 大卒内定率が50%を下回るのも、3人に1人が非正規雇用になるのも、中高年のサラリーマンにうつ病が急増するのも、
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04月29日(火)
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