ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4644, 一年で全米記憶力チャンピオンになれた理由 ー1
  著者自身の実験ドキュメンタリーにした面白い本である。冒頭の一節からして、読者を引き込んでいく。
外部記憶としてのデジカメ、パソコン、ネットが際限なく進化している現在、今さら内部記憶力が、何になる?と、
誰しもが思うこと。しかし、その脳も、殆ど使われてない。私のように、特に忘れやすいものにとって、惹かれる内容である。
  ー内容紹介ー
{ 古代ギリシャで知識人の必須のツールであった「記憶術」と、最先端の脳科学や一流のプロたちの技術習得の秘訣を学び、
 全米記憶力選手権で優勝するまでの1年を描いた全米ベストセラーの話題作。われわれ一般人でも、訓練すれば記憶の達人に
なれるのか? 記憶力はせいぜいで人並みであると自称する新進気鋭の科学ジャーナリストが、古代ギリシャの時代から知識人の
間で受け継がれてきた由緒正しい記憶術を武器に、1年で記憶力の全米チャンピオンに輝くまでを描いた実験ドキュメンタリー。
著者が体験した記憶力訓練の記録であり、また記憶力の競技会という奇妙な世界に生息する愛すべき変わり者たちの物語である。
古代から中世にかけて、知識人の必須の教養であった「記憶術」の歴史も語られる。脳と記憶についての科学的な考察もある。
記憶の魅力に取り憑かれた著者が、好奇心の赴くままに記憶の世界を縦横無尽に駆けめぐる。面白さと、知的興奮を与える1冊。}
     =まず冒頭の一節から=
《 紀元前5世紀の悲劇の宮殿。生き残ったのは彼だけだった。しばらくし人々がやってきて、瓦礫をかき分け、捜索を始めた。
 指輪でも履物でも何でもいい。そこに埋もれているのが自分の身内だと教えてくれるものが見つかることを祈って。
その少し前、古代ギリシャの詩人、ケオスのシモニデスは、テッサリアの名士、スコパス家の祝典で歌を披露していた。
歌を終えて席に着くと、使者が彼の肩をたたいた。2人の男が馬でやってきて、伝えたいことがあるので外で待っているという。
彼は再び立ち上がって、扉に向かった。外に出たまさにそのとき、宴会場の屋根がものすごい音を立てて崩れ落ち、大理石の
かけらと埃が舞い散った。今、彼は、がれきと死体の海の中に立ち尽くしていた。さっきまでにぎやかな笑い声が響いていた
空間には、ただ陰鬱な空気が立ち込めている。人々が必死になってがれきを掘り起こしていくが、瓦礫の中から引っ張り出された
死体はひどく損傷していて、誰のものとも見分けがつかない。誰がどの席に座っていたかわかる者もいないのだろう。
 シモニデスはあらゆる感覚を自分の周囲に集中させ、頭の中で時計を巻戻した。その時、記憶の概念を変える奇跡が起こった!
―大理石のかけらが積み上がって柱になり、その上の装飾部分も蘇った。石のかけらは食器に、がれきから突き出ていた木片は
テーブルになった。彼は客人の一人ひとりに目をやった。皆、悲劇が迫っているとは知らずに席に着いている。
一番前の席でスコバスが笑っている。彼の向かいには友人の詩人が座っていて、皿のソースをパンですくっている。
貴族の男性が気取った笑みを浮かべている。 窓を見やると、使いの者が、こちらに向かってやってくる。
何か重要な知らせがあるようだ――。シモニデスは目を開けた。そして、混乱する人々の手を取り、ゆっくりと
がれきの上に歩を進め、彼らの愛する人が座っていた場所へと案内した。これが、記憶術が誕生した伝説の瞬間である。 》
▼ 次回に、「シモニデスの記憶術」について書いてみるが、記憶にイメージを使うことも知らずに、この年齢まできた。
 試験などの記憶は、とにもかくにも何度も口に出して繰り返すか、紙に書いて、それを何度も読み返す程度であった。
12年前に、読書の要点とか、その時どきの思いを、ブログに書いて、時系列と、分類をすることを思い立った。
ブログが出始めの頃で、これは個人用のHPだった。それを公開することで、逆に客観性を持たせ、内容のレベルを落とせない?
ようにした。外部記憶装置をネットに公開したことになる。 だから、底の浅い自分が、そのまま表出するが、今さら!

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12月03日(火)
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