ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■3827, 集団爆笑 ー木曜五限の地理公民ー
人生では思わないハプニングで爆笑の渦に巻き込まれることがある。以下は、ある随想にあったもの、思わず噴出してしまった。
【 高見は一風変わった授業を進める教師だった。とにかく生徒を当てまくる。次回までに解いてこい、と指定した範囲の問題を
徹底し当てまくる。彼は中学生の本質を、的確に見極めていた。甘い顔をして、放っておいたらどこまでも勉強せず、授業中
昼寝するだけ、という性悪説を信奉していた。そして、その考えはおおむね正しかった。・・・・答えが間違っていると床に正座。
次に後ろの席の生徒が立つ。答えられない。 正座。はい、次、また、正座。こんな調子なので、クラスの九割が床に正座させられ、
正規のイスに座る者がほとんどいなかったこともある。おかげで、高見の授業は常に異様な緊張感が漂っていた。 事件は、
この高見の授業で起こった。主役は三井。 三井は強度のビビリ。人前で怒られることに、極端な差恥を覚える性質の正直者だった。
あの日、高見に当てられ、問題文の朗読および解答を求められた三井は、傍目にも哀れなほどビビっていた。斜め後ろの私の席からも、
問題集を持つ手が、緊張に震えているのが、はっきり見えたほどだ。 三井は途中しきりに噛みながら問題文を読み上げる。
「アラビア半島の一角を占める、人口二百二十万人のオマーンの首都マスカットはアラア海とオマーン…」 問題文は「首都マスカットは
アラビア海とオマーン湾に面し、漁業と交易の中心地となっている」という何でもないものだった。だが、三井はこのとき緊張からくる
混乱の極みに達していた。普段から冗談も言わない、根っから真面目な奴。ただ、男なら誰もが通る、ちょっとした思春期の懊悩に、
運悪く足元をすくわれてしまったのだ。「アラビア海とオマーン……」で途切れ、数秒のブランクののち、三井はぽつりと、「湖……」
と続けてしまつたのである。その瞬間、大阪の片田舎の男子校に笑いの爆弾が落ちた。 教室に破裂した笑い声で本当に床が揺れていた。
いったん笑いが収まっても、誰かがふたたび笑いだすと、波となって全員をまきこんだ。 十分経っても、男どもはひたすら笑い続け、
もはや授業どころではない。教壇の高見も笑っていた。「誰にでも間違いはある」とフォローさえしていた。 あれほど些細な間違いを
見逃さず、なべて正座を命じていた男の言葉とは思えなかった。もちろん、三井に正座命令はなし。三井の導いた笑いは、「鬼」と
陰口された教師の心すら溶かしたのである。その日より三井の名前は学校じゅうに轟いた。あんなに笑った経験は、後にも先にも二度とない。
とことん生真面目な男が、私の人生最高のスマッシュ・ヒットを飛ばす。「人間には無限の可能性がある」この言葉を聞くたび、
思い出すのは、あの木曜五限の地理公民と三井のことである。 私が笑いの偉大さについて身をもって知った、十四歳の夏の午後。】
( 『ザ・万歩計』万城目学著 )
▼ 以前に、ここでも書いたことがあるが、学生時代のドイツ語の授業で、誰かがドイツ語の訳をしていた。
「・・・ その時、遠くから犬の鳴声が聞こえてきた!」と、同時に遠くから、それを待っていたかのように、
「ウ〜 ワンワンワン」と犬の鳴声。その瞬間、かたい授業の最中、部屋中が爆笑の嵐。あれだけ集団で腹の底から笑った経験はなかった。
だから、この「集団の爆笑の味」がよく分かる。 ところで、太平洋に「マンコ」という名の島があった。 余計なことか!
・・・・・・・
3462, 純粋持続 −2
2010年09月17日(金)
* 純粋持続と自由
ベルクソンによれば、この純粋持続こそが自由の源泉である。 通常、自由といえば、選択の自由を意味する。
たとえば、ひとつの道を進んでいると、その先が二つに枝分かれしている。その分岐点において、どちらかの道を進むか
自分の意志に基づいて選択できる。 そこに自由があるとされる。 しかし、ベルクソンにいわせれば、そのような分岐路を
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09月17日(土)
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