ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[395291hit]
■3255, 「都市主義」の限界 −1
「都市主義」の限界 養老 孟司 著 〜読書日記
ーまずは、概要となるポイントの文章を書き出してみたー
*仮想社会とは、ネットやTVなどのバーチャルなものではなく、我々の脳内に作られた社会(=都市)であり、
脳による判断のみで社会を構築していくことへの恐怖が伝わってくる。
「戦後社会の変革を、私は『都市化』と定義してきた。・・・ 戦後の日本がいかに都市化されたか、それがいかに行き過ぎたか、
それはもはや歴然としている」『都市化』を脳化ともいう。 都市の全ての物は脳が作り出した意識の産物であり、
それと対局にあるのが都市生活者が全く意識の及ばなくなった自然である。 日本もヨーロッパもアメリカもその状態にあり、
現代社会に起きるありとあらゆる問題はそのことに帰結するという。 少子化に決定的な解決がないのは、子供は「自然」である、
と著者は主張。 自然は都会で排除されるものである(子供も然り)という。
また、都市で起こる(悪い)ことはすべて「他人の所為」という視点があるからだ。
*文化大革命では「批林批孔」を行っていた。このとき、中国の二大思潮は儒教と老荘思想であり、「文化大革命=老荘思想」
「中国旧体制=儒教」なのだとおぼろげに感じた。「都市主義」対「田舎主義」として、儒教対老荘思想、文化大革命も説明している。
*日本で学園紛争がおきたが、同時に中国では文化大革命が、フランスでも「ラテン区」の騒動がおきている。
これらの学生の動きが世界で同時におきたのはなぜか? それを氏は「都会と田舎の対立」だったと規定する。
都会化するためにはエネルギー供給が不可欠である。そのころ石油が安価に供給できる体制が整ったことにより、
世界中で都市化が急速に進展した。
*急激に進展する「都市化への反応」が世界各地でおきた学生の反乱だったという。
当時の運動は、反体制を標榜した。 「体制」とは、「人間が意識的に作り出したもの」である。
しかし、当時の若者自身が「田舎」を引きずっており、大学は「封建的」で「田舎」的であった。当時の若者は「都会」的である
ことを志向して「田舎」的である大学に反発、同時に彼らは「都会」主義に反発もして、文化大革命の「田舎」主義にも共鳴した。
〜〜
なかなか、面白い切り口である。多くの国ではの人口の三分の二が大都会の周辺に住んでおり、その半分〜三分の一が首都圏に住む。
東京都民の増加が止まらないで、何時の間にか1300万人を超えてしまった。首都圏には大よそ三分の一が住んでいる。
彼等は、異常な位にそれ以外に住む人を「田舎もの」と差別をする。 自分たちは文明の最先端で文化的な生活をしている。
彼方此方で催事があり、それに触れる機会が多いのは事実だが、不自然な生活環境である。「都会人が優位という感情が、
目くそ鼻くそを笑う、レベルのことは学生時代から認識をしていた。そこで産まれ育った人の固定観念は想像を絶したことを知った。
機能を優先させて不自然な環境に住んでいることが自覚できない。
偶然に、下記の同月同日の上海のターミナルの文章が間接的だが、同じ問題を提起している。 ー つづく
・・・・・・・
2880, 上海のバスターミナルにて
2009年02月22日(日)
19日の「NHK・BSの世界のドキュメンタリー」が、迫真に迫っていた。
今年の中国の正月にあたる「春節」に、上海で撮られたもので、中国の出稼ぎ労働者の現状を生々しく追ったもの。
ーまずは、その部分NHKのHPの番組紹介からコピーしてみた。
《 再訪・上海バスターミナル 〜不況下の帰省ラッシュ〜 》
中国の人々が年に一度、故郷の家族と水入らずで旧正月を祝う「春節」。NHKが2年前に取材した、
好景気に沸く上海の長距離バスターミナルは、春節の直前90万人もの帰省客が押し寄せ大混乱に陥っていた。
人々は貧しいながらも明日への期待を膨らませていた。しかし今年のバスターミナルは、打って変わり閑散としていた。
世界経済危機の荒波を被り、出稼ぎ者の多くが仕事や生活の基盤を根こそぎ奪われ、すでに帰郷していたのだ。
[5]続きを読む
02月22日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る