ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7122,閑話小題 〜いい悪いは別にして…
ないことを前提とした「無知のヴェール」を皆なでかけた状態で、どのような
社会を作ればよいか考えるべき>と主張した。
その為にロールズは、3つの原理を導きださせると考えた。
・1つが、「基本的自由の原則」で、個人の自由は原則的に保証され。
・2つ目が、「機会均等の原則」で、公正な競争の機会は平等でなければとし、
・3つ目が、「競争による格差調整の原則」。これは、最も不遇な人々の生活
が改善され、調整されなくてはならないとする原則。
自由主義とはいえ、再配分を前提としなくては、不平の充満が爆発を誘導する
からだ。これに批判を加えたのが、ノージックで、<税金を集めすぎて富を
政府が集中すると国家権力が肥大化してしまうと考えた。国家はあくまで、
暴力、窃盗、詐欺などの侵略行為を防ぐにとどまる最小国家であるべき>と。
この考え方は「リバタリアニズム(自由至上主義)」という。これに対して、
サンデルはリベラリズムをリバタリアンとは違ったカタチで否定、批判した
のが、「コミュニタリアズム」である。<自分のコミュニティの倫理や習慣を
重視して暮らすべし。個人のアイデンティティは育った環境や、共に歩んで
きた仲間と切り離して考えることはできない> と、考えるに至る。
白人でもないし、黒人でもない自分は、生まれ育った場所、仲間が一番好き!
という素朴な心である。トランプ大統領の「白人第一主義」も、これに近い
のか? トランプは、アメリカ独立の理念を根こそぎ否定するから、自滅は
時間の問題としても、数年は要するから、困ったもの。「リベラリズム」の
キーワード、ひとつとっても、これだけ奥行きが深くなる。 この隙間に、
チンケの軍事独裁国家に好き放題にされるから、問題深刻である。
「基本的自由の原則」「機会均等の原則」「競争による格差調整の原則」など、
絶対的権力者にとって軽く全否定される戯言でしかない。そこは未だに、
臨戦の世界。これもまた、文明の相剋ということになる。スターリン、毛沢東、
ヒトラーも、知らない間に気違いに変貌してしまうが、絶対権力はそのまま。
数百万、数千万の大量虐殺に至る。50〜100年スパンで考えると、その時節に
到着しつつある? 人類の将来を考えると、人類の半分か、三分の二が、淘汰
され、生き残った三分の一が、新たな文明を立ち上げた方が?という悪魔?の
思想もあって然るべき。 それが21世紀とすると、特に今世紀前半は、過酷な
時節になるとしたら、第二次朝鮮戦争勃発も何ら不思議ではない。
国家を持たないクルド族、ジプシー、かってのユダヤ民族が、いかに悲惨か…
リベラリズムもいいが、国家あっての国民ということを忘れないことだ。
09月13日(日)
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