ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7091,閑話小題 〜お盆ですか
  ーまずは、内容紹介よりー  「老後は夫婦の壁のぼり」ねじめ 正一著
 すべての団塊世代に捧げる老後のヒント。団塊世代の作家・ねじめ正一が、
人類永遠のテーマ「夫婦、男女のすれ違い」を縦軸に、今、団塊世代が直面する
「老後の問題」を横軸に、ユーモラスに、時に真摯に縦横無尽に紡ぐエッセイ集。
 ーー
 図書館で、この本を手にして早速よんでみたが、身につまされる話が次々と
出てくる。人生は坂を上ったり、下ったり、マサカの坂に出会ったりするが、
老いは、そんな生易しいものでなく、ロック・クライミングの室内用壁のぼり、
のようなもの。とにかく一日一日が、下に落ちまいとニジリ登っていく壁である。
亭主が外で働き稼いでいるうちは、奥さんも一歩下がってきた。
しかし稼ぎを無くして年金暮しで収入も激減し、家でゴロゴロしていると、
それだけで腹がたつのは道理。そのため、すれ違いと溝は深まるばかり。 
ここで、ー夫婦喧嘩‘健康法’ーを紹介している。NHKの健康に関するTV番組に
出演した時の、鈴木清順のー夫婦喧嘩‘健康法’ーである。 番組が始まり、
「ねじめさんの健康法は何ですか」と、著者に話を振ってきた。著者は草野球を
していたので、「年間25試合の草野球が楽しい。身体を動かす喜び、仲間との
交流の嬉しさ、そして、試合が終わってから家へ40〜50分歩いて帰ること」
と上ずって話した。次に、清純さんに、その質問が移った。
≪「うん、そうですね。夫婦喧嘩ですかね。ばあさんと喧嘩していると、
腹が立ってきてぼけないし、脳みそが活性化し、どなると大声が出て肺に良い。
毎日欠かさず喧嘩しています」 いやはや凄い。隣に座っていた私は目から
鱗が落ちた。私の草野球健康法は海の藻屑、いやスタジオのゴミになった。≫ 
 以上だが、それにしても大変なエネルギーだが、それなりの信頼感がないと
大声で喧嘩もしていられない。家内とも大喧嘩は日常茶飯事だが、どうも
こうも、精神的にも肉体的にも健康法とはいえない。それよりも、家に入って
からは、互いの壁のぼりが言いえて妙である。「神様は連れ添いに世界一相性の
悪い人を選ぶ!」という格言がある。若いときは、自分にない部分を持っている
人に惹かれるもの。それは逆に、自分と重なる部分が少ない人。それが長年かけて
鬱積として蓄積されている。それでも昼は、すれ違いで何とか耐えてきたのが、
年金暮らしで昼も夜も一緒なら叩き合いになって当然である。特に男は、縦社会
に生きてきたので、日常という横社会中心の場での生活に慣れてないため、
どうしても妻一人に気持ちがいってしまう。小さな家の中での啀み合いが、
「老後は夫婦の壁のぼり」になるのである。
もしか、これ、ロック・クライミング? 酸素切れ?

08月13日(木)
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