ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[384168hit]

■7113,閑話小題 〜失うものは何もない ―2
接触が多かったことなどである。ここでは市民の現実的世俗的感覚がキリストや
聖者をも人間化する志向を生み出し,ギリシア,ローマの古典やその美術的様式
が尊重され,独特の市民文化が育っていった。この市民文化は特に都市の支配層
である富裕な上層市民の要求に支えられ,ヒューマニズム (人文主義) の立場が
貫かれていた。しかし諸都市のコムーネ体制が衰えて,より広い領域を支配する
君主国家が発達するにつれ,ルネサンスの性格も変化した。15世紀後半から文化
は市民的性格を失って,君主の保護のもと宮廷文化的性格を帯びるようになった。
そして後期ルネサンス文化の中心地であったローマで 1527年に起きた略奪事件
(→ローマの略奪 ) で,イタリアのルネサンスは終息したとされている。
 ルネサンスの運動は 16世紀にはアルプスを越えてフランス,ドイツ,イギリス,
ネーデルラントなどヨーロッパ各地に広まり,それぞれの文化的伝統および
社会的状況と結びついた独自のルネサンス文化を生んでいく。アルプス以北の
特徴の一つは聖書の研究を通じて信仰の内容を問いかけたことで,これは宗教
改革に連なる面をもった。 ≫

▼ 近代化で欧米文化が底上げされ円熟した19世紀は、近代と現代の境目の世紀。
 芸術(とりわけ、音楽、絵画、文学)の世界に大きなうねりがやってくる。
その400〜500年前に近代の夜明けが「ルネッサンス」で、背景には経済的繁栄が
ある。その現代も、21世紀辺りから情報社会の到来で大きく変化を始めだした。
インテル社の共同創設者であるムーア(1929〜)が、<半導体の集積密度は18〜
24カ月で倍増し、チップは処理能力が倍になっても更に小型化が進むという法則>
を提唱したが、これが加速をして現在に至っている。これは、10数年で、1000倍
の処理能力になるが、ユビキタスとして周辺にも普及し、便利な生活用品が日々、
向上している。その最たるものが、TVや、スマートフォン、タブレットなどのPC。
そのことは、ここで繰返し取上げてきた。何故に、「ルネッサンス」かといえば、
当時の「新大陸発見」と、現実社会を覆って出来た情報化社会と、似ているため。
近代、現代の境目と同様の新しい時代の到来が、情報化社会である。混乱は、
「再生」を孕んだ新たな価値観を模索する材料を提示していると見ればよい。
行き着く先は、「2045年問題」か、はたまた、何か? 今世紀を待たずして、
世界は消滅していくのか?「ルネッサンス」の様相の中に鍵が?「良質な妄想?」

・・・・・・
6383,読書日記 〜哲学と対決する ―4
2018年09月04日(火)
           『哲学と対決する』デヴィット・エドモンズ著
                    ウォーバートン,ナイジェル著
   * ソクラテスだね
 ◉ ジョナサン・グラバー
ソクラテスだな。彼の意見を多くを取入れてるからではないんだ。彼が全てを
発見したからだ。哲学をやっている人は皆そうだけど、僕も、ソクラテスが
発見した方法を使って教えている。
・まず、「これについて、どう思う?あなたの意見は?」と人々に問いかける。
・次に、最大限明確にするように要求する。「あなたが言いたいことは、こう
いうこと、あるいは、ああいうこと?」。明確になったら、正反対の例がある
ことを提示する。「それは君の見方だよね。だけど、このケースにこんな原理
を当てはめて考えてみたらどうだろう。君には思いもよらないだろうけど」。
それが哲学の方法さ。素晴らしいと思う。
・更にソクラテスは狭い学究的環境に自分自身を閉じこめず、市場に出て人々
に語りかけた。彼はチャンスさえあれば、フィロソフィ・バイツをやってたんだ。
私の意見では、あまりに多くの哲学者が哲学を一種の秘教的専門問題として
扱っている。それは大きな損失だよ。
 
 ◉ ディビット・エドモンズ
ソクラテスが上記の言葉を述べるに至った流れを軽く説明します。
まず生きるに値する人生というのは「善い」人生であろうと想定します。

[5]続きを読む

09月04日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る