ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6303,映画鑑賞 ―『終わった人』
まだ若いと思っているのは自分だけ。老兵は、ただ黙って去るのみ。
恵まれたサラリーマンほど、節目の切替が難しい。
〜アマゾンの内容説明より〜
≪ 銀行の出世コースから子会社に出向させられ、定年を迎えた田代壮介。
仕事一筋だった彼は途方に暮れる。妻は旅行などに乗り気ではない。
図書館通いや体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。
職探しをしてみると、立派な職歴が邪魔をしてうまくいかない。
妻や娘は「恋でもしたら」とけしかけるが、気になる女性がいたところで、
思い通りになるものでもない。惑い、あがき続ける田代に安息は訪れるのか?
〜アマゾンのビュアーの声より〜
《 何と云っても、タイトルが秀逸。長い人生、生物的には最期の時まで
「終わり」はないはずだが、「社会的には」確かに終わった人は年々増えて
いるし、殆ど全ての人間は(自分も含め)そうなることを改めて教えられ、
身に沁みた。「散り際千金」「散る桜残る桜も散る桜」(2頁)と考える田代
壮介、49歳で子会社に出向、51歳で転籍、63歳のとき年収1,300万円で退職
(あと二年働けたが、そうすると6割近く下がる)、保有資産は現金で
約1億3,600万円(275〜6頁)の「卒婚」(358頁)物語。
(しかし、こんなに恵まれたサラリーマンなんて、そうそういないでしょう)
★ 卒婚とは 離婚との違いとしては、夫婦の関係を断ち切るのではなく、結婚
という形を持続しながら、それぞれが自由に自分の人生を楽しむ、という前向き
な選択肢。 必ずしも別居ではなく、同居しながら卒婚というスタイルも有りうる。
〜印象に残った箇所〜
「もし、私が田代さんのお部屋に泊まれば、あとは別れるか、愛人になるか、
結婚するかしかありません。男と女になれば、十年も二十年ももつ関係が、
半年や一年で終わります」 (217頁)
「あんなにきれいな人だもの、今に誰かと結婚してトシは捨てられるわよ」
(239頁)
「恋? お前も情けないものと比べるね。あんなものは十代でも二十代でも、
生きてるついでにするものだよ」 (252頁)
「「先が短いのだから、好きなように生きろ」ということなのだ。嫌いな人
とはメシを食わず、気が向かない場所には行かず、好かれようと思わず、
何を言われようと、どんなことに見舞われようと「どこ吹く風」で好きな
ように生きればいい。・・ これは先が短い人間の特権であり、実に幸せな
ことではないか」 (287頁)
「今後、介護やあなたの世話をする気はない。
でも、離婚という形は取りませんから」 (292頁)
「将来を嘱望された男ほど、美人の誉が高かった女ほど、
同窓会に来ないというのはよくわかる」 (314頁)。
「思い出と戦っても勝てねンだよッ」 (319頁)
「思い出と戦っても勝てない。「勝負」とは「今」と戦うことだ」(333頁)
「僕が笑うと、久里も笑った。きれいだった」 (366頁)。
▼ 産業廃棄物の典型的な人物描写である。第一の人生をソツなく卒業すると、
こうなるのだろう。学生時代の友人が、いまだに、関連会社の社長に、
しがみ付いている。曰く、『何もすることがない事が恐ろしい!』と。
それも良い人生かも知れない。 『日々、是、口実』よりも?
「終わった人」ならまだしも、「いらない人」になっていく私?
で更に、内館は、『必要のない人』という本を書いている。 ったく!
――――
2018年06月02日
終わった人 −2
* 終われない群像
一昨日の朝、NHKTVに内館牧子が出演して、映画の『終わった人』について
感想を述べていた。昨日、行ったシネマで、その映画の予告を流していた。
まあ、シリアスで内容は濃い。
〜内容は二年前に、この随想日記で取上げているが…
【東大法学部卒で大手銀行に勤め、役員レースの手前で出向に出されて定年を
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06月16日(土)
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