ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■2188, 宮城まり子 −3
彼らにとって、それがなんでもない日常でしかないのだ。
旅行をしているというと、じゃあ俺も一緒にいこうという。
荷物持ちでも何でもいいから雇ってくれ、と。
西江は中古車を買って、運転手を雇って旅行しようと思い立つ。
雇った運転手に車を修理してもらい、出発する段になって雇った運転手の男が、
じゃあ荷物をとってくるから待てという。
もってきたのは帽子とズボンだけ。
しかもそのズボンを、この部屋で帰るまで預かってくれという。
バッグも金もなんにも無い。面白そうだからただその話に乗ろうというのだ。
そういう動機の方が自然で面白い。
本当に着の身着のまま。他に何が必要か。恐らく真剣には考えていない。
考えたところで仕方が無いのだ。
お前が行こうとしているところに俺の婚約者がいる。
久しぶりに会えるというので大変にはしゃいでいる。
ところが着いたとたん、そこで偶然知り合った女と仲良くなってどこか消えてしまう。
彼女と会うのはまた今度でいいや。
出発する時には何にも悪びれる様子もない。
ーーー
まあ、こんな感じでアフリカの原住民の生活が、そのまま正直にリアルに書いてある。
そのため読んでいて、引き込まれてしまうのだ。
読んでいると、現地にタイムスリップしたような気分になってしまうから不思議である。
その運転手と、突きつめた自分と何処が違うというのだろう。
何も違わないのだ。
ーーーー
ー以前書いた著者の本の感想文である。
2003/11/14 954、「意味」の意味を考える
言葉や言語を考える時、重要な事として、すぐに「意味」が出てくる。
「人生の意味」とか、「意味がないよ」とか、「このことにどういう意味があるか」
とか、言葉と意味は一体である。
考えるとは、言葉の羅列の繰り返しをしているといってよいが、
それは羅列によって意味を幾とおりも置き返していることである。
といって「意味」の意味を考えると何が何だか解らなくなってしまう。
「意味」の意味を考えるとは、半分ジョークみたいな話だ。
言語学者の西江雅之氏の本に、「意味は『価値』である」に注目をした。
「意味がない!」などと1人で解ったような気になるのは、
「自分の価値観とは違う」とっていることでしかないのだ。
「人生の意味」も「人生の価値観を何処においておくか」の問題でしかないことになる。
言語学者の西江雅之の「『言葉』の課外授業」ー洋泉社ー
という本の中(p78)に「意味」の意味を簡潔にまとめてあった。
・一つ目は「意味」とは「価値」である。
世界のほとんどの言語では「意味」というのは、「価値」のことを言っている。
「あの人の話は意味深い」とか「あの人の話は意味がない」とか、
「面白い」とか「つまらない」とかは、受けての「価値判断」のあり方を
「意味」と呼んでいるのだ。
・二つ目は、「意味」というのは、出された例の、別の表現への
「置き換え」なんです。
たとえば「『椅子』とは何か」と言ったら、「それは『人が座る道具』
である」と。この置き換えが、ある種の「意味」になる。
「置き換え」の二番目は、別の言葉に置き換えると言うことです。
「‘desk’の意味は何だ」というと、辞書に「机」と書いてある。
「あ、意味がわかった。この単語の意味は‘机’なんだ」となるような、
別の言葉への置き換えである。
・三つ目は、「世界の創り変え」である。
現状から出発して新たに見出そうとする意味である。
現状を否定して、いっそう本物を求めようという場合の「求めるもの」と言ってよい。
日常生活で「意味を問う」などというのは、現状を疑い、現状を変革させること
なんです。
意味には「分析的」なものと、「連想的」なものがある。
「分析的」は欧州風科学で考えるもので、「連想的」は
「ひらめき」や「インスピュレーション」などの科学で扱わない部分である。
ー以上が抜粋であるー
一つ目の ー「意味」とは「価値」であるーについて考えてみよう。
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03月31日(土)
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