ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7858,閑話小題 〜根あかの人
キリストの愛も、最後まで見守っていてくれた母マリアの愛の反映である。
人間形成は、10歳までの家庭構造とそれを取り巻く環境ー条件で
ほぼ決まってしまうが、その中で母の役割は非常に大きい。
ー命日ということで、母のことを少し話してみる。
母は特異な家庭環境の下で育った。兄一人、姉一人の三番目に生まれた
二年後に、実父が亡くなってしまった。そこで祖母は、(後妻でなく)
後夫をもらった。(要するに男後家)
その後、後夫の子供が4人生まれた。
後夫は当然のことながら、前夫の子供を徹底的に苛めた。
特に一番幼い母が、その対象になった。
祖母は後夫の手前、守ることも、直接的な愛情を注ぐことができなかった。
そのトラウマが母の一生を通してついてまわった。
子供に対する扱い方(直接的愛情のかけ方)を全く知らなかった。
ただ厳しく当たることしか自分の体験がなかった。
それが長兄、次兄が不幸を向かえるキッカケとなってしまった。
その結果、重度のノイローゼになった。私が7〜10歳の時である。
立ち上がるのに5年もかかった。その時、心臓が四分の一壊死してしまった。
(亡くなった直後の解剖で判明) そういえば、私も子供を抱きしめる
ということは一切しなかった。その苦悩・苦痛の中から、神様のような
優しさを持つようになった。そして強さも。
その環境の中で育った兄姉は、それぞれが何らかの神経症が残った。
私が癒し系の話題が多いのも、その神経症系を乗りこえるプロセスで
多くの本を読んだからだ。いやそれより、面白いこともあったが。
どの家庭も、色いろな事情はあるものだが。
特に、戦争下を通り抜けてきた世代には。
さあ墓参りだ!
・・・・・・
7134,読書日記 〜『裏』
2020年09月25日(金)
* 裏
これは、面白い作家ならではの内容! 怒り、愚痴を人知れずに書きだし
(掻きだし)デドックスる。紙に一度、言葉にだして、破るのが一般的処方。
人間は己に甘く、他人には厳しい! そこに、四苦八苦が生まれ出る!
それを活きる糧にする輩が加わるため、複雑の様相になる。
『裏』岸本佐和子著 <ベストエッセイ2018 日本文芸家協会>…P348
【 私が私の裏垢でしたのは、悪態だった。
当時の私はやさぐれていた。世界に対する黒い呪詛が腹の中に溜まって、
口からあふれ出る寸前だった。口を押えれば、鼻や耳や目から漏れそうだった。
だから口で言うかわりにツイッターで匿名で言うことにした。
電子板「王様の耳はロバの耳」だ。
作った裏垢は、自分とフォローを許可した人以外は閲覧できない「鍵付き」
アカウント、しかもフォロー数ゼロ・フォロワー数ゼロとして完全密室。そこで
私は腹に溜まった真っ黒な呪詛を吐いて吐いて吐きまくった。
特大の頑丈な臼に、思いつくかぎりのむかつく人モノ組織出来事現象その他
その他を投げ入を築いた。
それがいつどのように終わったか、記憶が定かではない。 体内の毒を吐き
きってデドックスが済んだからなのか。気がつくともう、その裏垢には行かなく
なっていた。 そのうち、そこに入るパスワードも忘れ、アカウントも忘れ、
とうとうアクセスの術は完全に失われてしまった。 ついこの間の飲み会で、
たまたま人に話すまでは。すると、一人が目を輝かして言った。え、それって、
まるで現代アートじゃない。
たしかに。誰にも、それを発した本人すら見ることなく自己完結した呪ソは、
入ってみれば純粋呪ソ。観念としての呪ソだ。そして私が裏垢の存在を忘れる
ことによって、それはアートとして完結したことになる。
時どき、ネット空間の何処かに存在している筈のあの裏垢のことを考える。
誰にも聞かれることのなく小部屋にいつまでも反響しつづける自分の言葉は、
さぞかし孤独だろうなと思う。
もしも何百光年かかけて宇宙空間を旅した悪態が、たまたま近くに通り
かかった高度な知的生命に受信され、解読されてしまったら。そして、
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09月25日(日)
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