ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7069,読書日記 〜『コロナ禍からの警告』 〜1
の仲間入りの現実に直面する。 長寿の時代、リタイア後、2000万の蓄えが必要
というが、現実の平均値は400万そこそこ。そこに将来の不安がつきまとう。
 
  〜特集の概要といえば〜
≪ 閉塞感が漂う日本社会の現状をみるには『階級』という視点が不可欠、
 という警鐘。不安定な雇用で収入も低く、結婚や子育て、老後の蓄え、といった
営みもままならない新しい階級「アンダークラス(下層階級)」の出現に注目―。
 本のヒットに、「何が起きているのかと思った」と誰よりも驚いたのが筆者。
社会学者で早稲田大学教授の橋本健二。格差・階級理論の専門家だ。
階級という概念にこだわり、40年近く前から日本社会を分析してきた。
 ただ橋本はすでに2006年に発表した本でも使い、
「分析したが、当時は専門家をのぞけば、まったく反応がありませんでした」
「私は(橋本)、戦後日本は、
・資本家(企業経営者)
・旧中間(自営業者)
・新中間(ホワイトカラー会社員、専門職)
・労働者という 四つの階級え構成されるとみてきたが、そこに、1990年頃から
「アンダークラス(下層階級)という新しい階級が生まれたと考えています」と。
  ―「どうしてそうなったのでしょうか」の問いに…
<「80年代後半以降の『フリーター』が出現。日本はもはや「格差社会」で
 ない、もはや「階級社会」という現実が現われ、日本社会の格差はますます広がり、
固定化され、〈階級社会〉と呼ぶべき様相を呈している。著者は最新の学術的データ
を用い、そんな現代の格差の輪郭を明瞭に描き出す。>
「著者は以前から著作で、日本が階級社会への道を歩んでいることを指摘して
きました。ここに来て、格差の事態が悪化し、目を背けていた現実に向かいあわ
ざるを得ない状況が生まれたからではないでしょうか」(担当編集者)
 格差拡大が放置され続けたことで、膨大な貧困層が形成された。中間層も厳しい
状況に追いやられている。わずかな躓きで転落し、ひとたび貧困に陥ると、階級を
上昇することは極めて難しい。本書は厳しい現実を冷静に指し示している。
「自己責任論に肯定的な、ある種エリートと呼ばれる立場にある人も、自分は
中間層に留まることができても、お子さんまでそうとは限りません。就職の失敗や、
大きな病気や怪我などで、貧困層になりうる可能性は多々ある。そうした不安から
本書を手に取る方も多いのかもしれませんと… 本の中で1章分を割いている、
  ――女性たちからの反響も大きい――
女性の階級は配偶者に左右されがちで、死別などをきっかけに困難な立場に置かれる
ことが多い。『明日は我が身』のような不安が、今の日本社会全体に漂っているので
はないでしょうか」(担当編集者)
 ――
 〜本書評者:前田久 (週刊文春 2018年04月12日号掲載)〜
かつて日本には、「一億総中流」といわれた時代がありました。高度成長の恩恵で、
日本は国民のほとんどが豊かな暮らしを送る格差の小さい社会だとみなされていた。
しかし、それも今や昔。最新の社会調査によれば1980年前後、新自由主義の台頭と
ともに始まった格差拡大は、いまやどのような「神話」によっても糊塗できない
厳然たる事実となり、ついにはその「負の遺産」は世代を超えて固定化し、日本
社会は「階級社会」へ変貌を遂げたのです。900万人を超える、非正規労働者から
成る階級以下の階層(アンダークラス)が誕生。男性は人口の3割が貧困から家庭を
持つことができず、また一人親世帯(約9割が母子世帯)に限った貧困率は50・8%
にも達しています。日本にはすでに、膨大な貧困層が形成されているのです。
人々はこうした格差の存在をはっきりと感じ、豊かな人々は豊かさを、貧しい
人々は貧しさをそれぞれに自覚しながら日々を送っています。現在は「そこそこ上」
の生活を享受できている中間層も、現在の地位を維持するのさえも難しく、その
子供は「階層転落」の脅威に常にさらされている。この40年間の政府の無策により、
現代日本は、金持ち以外には非常に生きるのが困難な、恐るべき社会になったのです。
 ――


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07月22日(水)
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