ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383663hit]

■6433,死について考える 〜『樹海考』書評を読んで…
≪フリーのテレビディレクターとして活躍する竹内と阿部。二人は富士の樹海の
 近辺をさまよう自殺志願者たちにインタビューしては、その経緯や心情を聞き
出しつつ、自殺を思いとどまらせるドキュメンタリー番組を制作する。番組は
高視聴率をたたき出し、テレビ局や彼らが所属する制作会社は続編の撮影を持ち
掛けてくる。しかし、自殺志願者たちのさまざまな人生に触れてきた二人は、
そうした番組の制作で生計を立ることに良心の呵責を覚えるようになっていく≫
▼ 自殺のため樹海に足を踏み入れようとする人々の姿を追うドキュメンタリー
 番組のディレクターの二人が、おのおのの事情を抱えた自殺願望の人たちと
接する中で、二人の問題を抱えた人生を見つめ直していく筋たてがよい。 
 この中で、「何故、富士山麓の樹海を死に場所にするか?」の疑問に対し、
「自殺は、自宅内の首吊り、ガス自殺、服毒死、そして自宅近くが殆ど・・」
ところが、自殺を決意できないため、「樹海に行けば人知れず決行できる」と、
思いたって来るという。そういえば、以前、ここで、『実録・ゴールデン・
ブリッジからの身投げ』を取り上げたが、こんな映画は国内の製作は無理!
 私のブログのビュアーに、『最近、いやに死を扱った読書録が多いですね。
(陰の声として、何か危ないのですか)』と、怪訝な顔で言われた。
そこで、『その時になってからでは予習効果は少なく、死の問題は、まだ先
と高をくくっていられるうち、これは長年の蓄積が必要。』と答えていたが。
「正中心・一点・無」の最たる難問が死の問題。これも、突き詰め、凝視を
続けると、慣れが出てくる。ところで方法の三分の二が首吊り自殺で、
9割の人が、その瞬間、止めておけばと後悔する、という。世間様とやらと、
妄想に充分に気をつけ、何があっても苦海を面白おかしく生きなければ!
――――
503, 実録・ゴールデン・ブリッジからの身投げ
2013年07月15日(月)
 先日、蔦屋で本を一冊買ったところ、レジの人がいうに「今なら、シニア様
なら無料でDVDが借りられます」という。そこで借りてきたのが、『ブリッジ』。
軽い気持ちで、身投げ自殺のドキュメントのタイトルにひかれ借りてきたが、
初めから終わりまでシリアスで見入ってしまった。次次とサンフランシスコの
ゴールデン・ブリッジから身投げをしていくのが映し出され、遺族や友人が、
インタビューに答えている。このところ『大往生したけりゃ医療とかかわるな』
や『どうせ死ぬなら「がん」がいい』の読書録と、その下書を書いているので、
死にゆく者の心模様がシリアスに伝わる。橋の手前で、死のうか迷って考え込み、
決断する悲痛な姿が痛ましくバンジージャンプのように飛び込んでいく姿が
痛ましい。その後の身近の人の証言では、ほぼウツ病で、それが高じ自殺に到る。
生きているのが辛く、死にたいのである。 反面、誰かに助けて欲しい気持ちが
迷いを生み出す。その中で、一人、助かった人がいた。足から落ち、上手く靴が
水面に突き刺さって衝撃を和らげた上に、水中でサメかアザラシ?が踏み台に
なり、押し上げられたという。普段なら40Mの落差の衝撃で亡くなるが、
このブリッジは66M。内容は暗く恐しいが、心の闇が、身投げを通して
浮かび上がってくる。  ーウィキペディアによるとー
≪『ブリッジ』(原題:The Bridge)は、2006年に公開されたアメリカの
ドキュメンタリー映画。社会の禁忌としている『自殺』をテーマにしている。
観光の名所のゴールデンブリッジに1年間カメラを設置し、自殺者の様子を
カメラに収めた。後に遺族にインタビューをし、そこから自殺を図る人々の
様子を映しだそうとしている。映画では24人が、橋から66Mの高さから海面に
向かって飛び降りている。監督のエリック・スティールはこの映画を取る際、
映画の宣伝効果で自殺者が増加しないように極秘に行っていた。また、
橋の柵に足をかけたら管理局に通報することをルールとして定めていた。
 映画は主に橋とその周囲の日常を撮影した風景、自殺者の飛び降りるシーン、

[5]続きを読む

10月24日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る