ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4791,「消費される物語」 ー1
   * 私たちが何故不幸か、進化心理学が教えてくれる
 チンパンジーからして、実は平等も格差も遺伝子に刻印されている。この矛盾が、人間を不幸にしている。
能力も、女性の容姿も、生まれながら大きな差がある。それを克服するには、一生を要するが、それを失うには数年、
いや、数ヶ月で済む。女性が連れ合いの選択にシビアになるのは当然、それで人生の大半が決まってしまうため。
だから二段階上の相手を必死に探す。それをシンデレラコンプレックスという。しかし殆どが夢幻の幻想で終わる。
だから神様は、男の性欲を過剰に与えて、仮装の相手に惑わさせるようにした。で、男は一生、その付けを払わされる。
平等欲求と格差の遺伝子を同時に与え、不幸になるように創られたのは、神様の仕業。だから幸福など気の迷い。
  ーその辺りから抜粋してみるー 「不幸なのは人類の宿命で、私や貴方だけでない!」と割り切るしかない
≪ 二頭のチンパンジを真ん中をゴフス窓で仕切った部屋に入れ、片方にキュウリを与えるとすごくおいしそうに食べる。
ところがもう一方のチンパンジーにバナナが与えられると、いきなり怒り出して、手にしていたキュウリを壁に投げつける。
さっきまであんなにうれしそろだったのに。霊長類学者のドゥ・ヴァールは、こうした観察結果から極めて重要な発見をした。
平等はチンパンジーにとって、けっして譲ることのできない「基本的猿権」なのだ。 ぼくたち人間も、「平等」に強い
こだわりをもっている、人種差別で沢山の血が流れるのも、バックパッカーがぼったくられたことに延々と文句をいうのも、
同じ人間として平等に扱われていないと感じるからだ。でも平等が遺伝子に刻み込まれた生得的な価値観でなぜ世の中は
格差社会になるのだろうそれは、「格差」もまたぼくたちの遺伝子に刻印されているからだ。
 初対面の二頭のチンパンジを四角い机に座らせ、どちらにも手が届くところにリンゴを置くと先へと互い取り合う。
負けけがつづと威嚇の表情を見せるが、喧嘩にはならない。互いに先取者に所有権があることを認めているからだ。
 ところが同じことを何度も繰り返すうちに、どちらか一方がリンゴに手を出さなくなる。からだの大きさなどさまざまな
特徴から二頭の間で自然に序列が生まれ、いちど階層が決まると、下位のチンパンジーは上位者にエサを譲るようになる。
保育園や幼稚園でも、子どもたちを集団で遊ばせるとごく自然に階層が生まれ、リーダーが決まる(とくに男の子の場合、
この傾向は明瞭だ)。サルやヒトには、相手と自分の関係を測り、無意識のうちに支配したり従ったりする強力なちからが働く。
 人間の耳には、五〇〇ヘルツより低い周波数は意味のないハミング音としか聴こえない。ところがぼくたちが会話をすると、
最初はハミング音の高さがひとによってまちまちだが、そのうち全員が同じ高さにそろう。ひとは無意識のうちに、支配する
側にハミング音を合わせるのだ。 声の周波数分析は、アメリカ大統領選挙のテレビ討論でも行なわれている。
一九六〇年から二〇〇〇年までの大統領選挙では、有権者は一貫してハミング音を変えなかった(すなわち相手を支配した)
候補者を常に選んできた。わざわざ選挙などやらなくても、討論のハミング音を計測するだけでどちらが勝つかはわかって
しまうのだ(ドゥ・ヴァール『あなたのなかのサル』) ≫
 ▼ 誰もが不幸になるよう設計されていると思えば、少々の怒りや悩みは解消される。だいたい幸・不幸は一時的感情。
  だから格差を容認するため「公平」という考え方を作り上げた。ここでチンパンジーに平等の意識が「基本的猿権」
 としてあるのに驚いた。数十、数百万年かけてつくられたのだろう。小・中・高校、大学に進学する度に選択されていく。
 上に進むたびに格差された自分の上下左右が鮮明に見えてくる。平等、自由、博愛、これは理念、現実は逆ということも!
・・・・・・
4050, 一時停止 ー8
2012年04月27日(金)                
   * 「好き」という言葉が好きだ      「一時停止」 谷川俊太郎ー自選散文ー1955〜2010

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04月27日(日)
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