ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4674, 閑話小題 ー何だろう、この現象は
教義「聖書のみ sola scriptura」を下支えするのが活版印刷。 堕落した権威の手から聖書を、あるいはイエスを解放する
この運動とて、マインツ発の偉大なる技術革命なくしては、そもそも成り立ちえなかった。グーテンベルクが刷り上げた最初の
テキストは聖書。それから一般の知識を伝えるメディアとして、「読書界」を創造されていった。 マクルーハンによれば、
アルファベットの発明と印刷技術の発明によって、西欧社会は「視覚」だけを異常に強調する文化をつくり出した。
固定された視点が捉える均質的な視覚情報 ─つまり印刷されたアルファベット─ のなかにあらゆる対象を写し取ることで、
西欧人はある意味で非常に歪曲された世界像、宇宙像を手に入れた。これをマクルーハンは「グーテンベルクの銀河系」と呼ぶ。
西欧社会に現れた「グーテンベルクの銀河系」は、世界についての認識を単一の感覚に還元してしまい、単純な記号の直線的
配列によってすべてを表現しようとする。また、印刷されたアルファベットはそれ自体が意味を持つのではなく、あくまでも
「意味されるもの」の代理(=表象)でしかない。無文字社会の口語文化にあっては、言葉はそれ自体が豊かな「意味」を
まとったものとして人々の心に響いていたのだが、文字社会においては「意味」は形而上学的な世界へと追いやられてしまう
ことになったのである。 この「グーテンベルクの銀河系」は、西欧社会の「知」に推論の厳密さを保証する一方で、分析的理性に
偏重した視野の狭さをももたらした。 印刷技術の誕生は、単純な進歩ではなかったのである。
「どれかひとつの感覚が切り離されると他の感覚どうしの比率が必然的に狂って自己感覚が失われてしまう」のであり、
「五感どうしを切り離してしまう新技術には当然催眠効果があった」のである。
それに対し、現代のラジオやテレビといった電波メディアは、「聴覚」を復活させ、「視覚の極端な優位」から「五感の調和」
へと人々を連れ戻す。 調和のとれた五感による世界認識のほうが、カトリックのマクルーハンにとっては、神が創造した世界を
リアルに捉えられるということのようだ。そのかわり、この五感調和的で総合的なリアリティは、単線的な論理の筋道によって
表現できるものではない。世界は「場」のようなイメージで捉えられるべきであって、マクルーハンはその「場」らしきものを、
本書の活字空間のなかに描出してみせたのである。「メディアはメッセージである」という有名なテーゼに代表されるように、
メディアの「形式」が人々の精神文化にいかに強い影響を及ぼすか、というのがマクルーハン理論の最大の要点だとされている。
だが、訳者もいうように、五感の調和によるリアルな世界認識を復興させよ!というのが本書の核心的なメッセージではないか。≫
▼ 口語文化から、活字文化へ。そして今は「映像文化」へ、移り、今度はネット文化が出来つつある。口授から、書物へ。
そして現在は、電子映像、電子書籍文化に移動しようとしている。それが現在、ネットで世界中を行き交う情報革命として、
我われの存在意義を変えようとしている。 この数年来、手の平にのるスマートフォンやタブレットPCが急速に普及している。
文字に映像や写真が添付された情報が直接、ネットで個々の間に行き交う文化が生じてきた。これが時代を根こそぎ変えている。
また電子書籍たるものが、読書界を大きく変えている。グーテンベルクの銀河系が、ジョブスの銀河系に移行始めた。
その行き着くところは、未だ誰も知らない。
・・・・・・・
3934, 新年にあたり ー2
2012年01月02日(月)
* つれづれに
スーパーイヤーになる今年、どうしても暗くなりがちになる。
2008年9月のリーマン・ショック以来、一年ごとに世界は大きく変化をしてきた。
去年も想像を絶する大事件が相次いだが、今年は、それを遥かに上回る可能性がある。可能性として考えられるのが、
・欧州発の世界恐慌 ー世界的株式と国債の暴落、食料品の暴騰・・・
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01月02日(木)
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