ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[393794hit]
■4452, 早朝座禅 −3
しかも実際に定年に直面すれば、予想外の雑用や成り行きでどうにか乗り切ってしまったりすることのほうが案外普通ではないだろうか。
老いそのものよりも、想像力や予兆によって我々は老いに脅かされる。それはホラー映画の構造と相似しでいる。お酒落というよりは
「若作り」に励む中年男性が増えたような印象がわたしにはあるが、それはたんに異性にモテたいとか一目置かれたいとかの皮相的な
理由ではなく、老いという未知なるものへ対する護符にも似た魔術的効能が求められているからだろう。
老いることのネガティブな側面は、健康や金銭面で弱者になりかねないことと、世間から置き去りにされかねない不安、死への接近と
いったことであろうか。必要不可欠な人物という立場から退場することへの寂しさ、敬して遠ざけられがちなことへのもどかしさ、
切実な無力感といったこともあるかもしれない。核家族化によって、老人なりの役割分担を与えられなくなってきていることも問題だろう。
そうなると老人は青年や中年の劣化バージョンということになりかねない。男性、ことにサラリーマンは定年と老いとの同義化と、
それを先取りした不安が問題となっている。若作りというどこか滑稽な振る舞いにも、シリアスな意味が込められている。≫
▼ 初老期の人間の姿をシリアスに浮かび上がらせた内容である。「老人は青年や中年の劣化バージョン」は、言いえて妙である。
ひと足先に定年をむかえた人が先年、「暇を持て余すと思っていたが、実際は毎日やることがある」と言った意味が最近分かってきた。
人生は最大限に生きるべき、それが老いへの準備になる。年齢に従って劣化を劣化として受け入れるしかない。起承転々・・いや転倒
・・・・・・・
3712, ジャズについて −7
2011年05月25日(水)
モダン・ジャズの誕生 ー@ ー 「音楽の本」三枝成彰著 より
■ 四〇年代、ジャズの常識を打ち破った「モダン・ジャズ」の誕生! P−195
▽ "踊る音楽"から"鑑賞する音楽"へ ーまったく新しい「ビバップ」とは?
【 時代は第二次世界大戦(一九三九〜一九四五)に突入。四一年の日米開戦によってアメリカは本格的な戦時体制に入り、
ジャズメンの中にも召集を受ける人が出てくる。あわせて、歓楽街とりわけダンズホールへの課税も強化され、スウィング・ジャズを
支えたビッグ・バンドの維時は雛しくなる。 そうした状況の中で、ひと旗上げようと全米各地からニューヨークに集まってきた
ジャズメンは、ハーレムのミントン・プレイ・ハウスやモンロー・アップタウン・ハウスなどのクラブで、店が閉店したあとも、
夜な夜な ジァム・セッション(独奏者が集まって即興演奏の腕比べをすること)を繰り返して腕を磨いた。
小規模のコンボで演奏する彼らにとって、型通りのビッグ・バンド・スタイルのスゥィング・ジァズは、もはや古くさく物足りない
ものであったことはいうまでもない。いかにありきたりの形式を打破し、自分なりの新鮮な要素をジャズに注入するかという実験に
彼らは腐心した。 こうして生まれたのが、「ビバップ」(もしくは単に「パップ」)と呼ばれる新しいスタイルである。
ジャズにおけるビバップ・スタイルとは、メロディー、リズム、ハーモニーすべてにわたって従来のジャズの常識を打ち破ったもの。
なによりも驚くほどテンポが速くなり、不協和音の多用による音の飛躍、リズム・アクセントの変化によるビートの細分化など、
全体の音色はより硬質化し、フレーズ(即興演奏における音の連なりの聴こえ方)の多様性はいちだんと広がった。
ジャズの醍醐味の一つは、ソロによる即興演奏にある。たとえば、同じ曲を演奏するにしても、ソロの演奏の仕方によって
まったく別な印象を与える。そのソロ演奏が不可欠となったのも、この時代といっていいだろう。
もちろん、このビバップは、従来のニューオリンズ・ジャズやスウィング・ジャズの、ある意味では単純な‘ほのぼの’とした
ジャズを聴き慣れた耳には、複雑で"とんがった・印象を与えた。
[5]続きを読む
05月25日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る