ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■2513, 思い込み
    ベルトの上へ落ちました。ベルトは粉砕筒へはいってゆきました。

そこで鋼鉄の弾丸といっしょになって、細かくこまかく、激しい音に呪いの声を叫びながら、
砕かれました。そうして焼かれて、りっぱにセメントに成りました。
骨も、肉も、魂も、粉ごなになりました。私の恋人の一切はセメントになってしまいました。
残ったものはこの仕事着のボロばかりです。私は恋人を入れる袋を縫っています。
   私の恋人はセメントになりました。

私はその次の日、この手紙を書いてこの樽の中へそうっとしまい込みました。
あなたは労働者ですか、あなたが労働者だったら、私をかわいそうだと思って返事を下さい。
この樽の中のセメントはなにに使われたでしょうか、私はそれが知りとうございます。

    あの人はやさしいいい人でしたわ。そしてしっかりした男らしい人でしたわ。
    まだ若うございました。二十六になったばかりでした。あの人はどんなに
    私をかわいがってくれたか知れませんでした。
    私はあの人に経帷布(きょうかたびら)を着せる代りに、
    セメント袋を着せているのですわ!あの人は棺にはいらないで
    回転窯の中へ入ってしまいましたわ。

あなたがもし労働者だったら、私を可哀想と思って、お返事をください
ね。その代わり、私の恋人の着ていた仕事着のきれを、あなたに上げます。
この手紙を包んであるのがそうなのですよ。このきれには石の粉と、
あの人の汗とがしみこんでいるのですよ。

お願いですからね。このセメントを使った月日と、それから詳しい所
書きと、どんな場所へ使ったかと、それにあなたのお名前も、ご迷惑でなかった
ら、ぜひぜひお知らせくださいね。あなたもご用心なさいませ。さようなら。

    松戸与三は、湧きかえるような、子どもたちのさわぎを身のまわりに覚えた。
    彼は手紙の終りにある住所と名前を見ながら、茶碗にそそいであった
    酒をぐっとひと息にあおった。

  「へべれけに酔っぱらいてえなあ。そうしてなにもかもぶちこわしてみてえなあ。」
    とどなった。
  「へべれけになって暴れられて堪るものですか、子供達をどうします」
    細君はこう云った。彼は細君の大きなお腹に7人目の子供を見た。

葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」から葉山嘉樹は明治27年福岡県生まれ。
早稲田大学に入学、父の家を売って作ってくれた学費400円を浪費してしま
い、学校を退学。生活のため船員になりカルカッタ航路の船員になったり
のち、労働者、新聞記者、夜店の古本屋など転職し、労働組合の組織、
ストライキの指導に専心、三度も入獄の目に合い獄中、小説を書きつづけた。

 「セメント樽の中の手紙」は大正15年雑誌「文芸戦線」所載。
                  ホン |Д´)ノ 》 ジャ、マタ
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2006年02月20日(月)
1784, 「すごい考え方 」
               おはよ〜 (ゝc_,・*)♪
先日書いた「夢ノート」を、少し難しく書いてある本に出会った。
「すごい考え方 」ーハワード・ゴールドマン著 である。

この本のキーワードは「未来語」である。
ここでパソコンのOSと人間の思考と行動がよく似ていることから、
その共通するものが「言語」という。
     効果的な言葉として「未来語」が、すごい言葉とみている。
     夢は現在にとらわれないで未来の構図を立てて、
     その視点で思考を進める凄さを看破している。
     人間の考え方をパソコンのOSとみなして、自分の考え方に入れればよいのだ。
     ミッション・ステートメントなどその典型だ。
     その意味の深さは年齢を重ねた経験から、やっと気がつくことである。

現実にとらわれすぎてアイデアバスターズを自認している人があまりに多い。
アイデアバスターズの人は、アイデアが出ない人である。
ドキッとしたら貴方のことだ! ただ安心してよい!
9割が現在しか考えてないからだ。

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02月20日(水)
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