ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■(無題)
じつは、書きたいけれど書けないことがある。
悲しいこと、苦しいこと。
「書きたいけれど書けない」というのは、書いてはいけない、という意味ではなく、わたしの中でもやもやしていて、どう書いたらいいかわからない、ということ。
だからこそ、なおさら苦しい。
……
でも、「まあ、いいや」。
(上の台詞↑については、わたしの小説っていうかショートショート『日常http://www.jackies.jp/novels/nichijou.htm』参照?)(笑)
たとえ中途半端ではっきりしないことでも、今はまだわたしには「変えられないこと」なのかもしれないし。

わたしは、わたしが今置かれている立場を忘れてはいけない。
人から陰で「あいつはちゃんと働いて収入を得ることもしていないくせにえらそうなことを言う」とか「家族を捨てたサイテーの『男』」とか言われているのも知っている。
(『男』という言い方はわたしを怒らせたいだけの言い方で卑怯極まりないと思う。
でもまあ、男として生きちゃった期間がかなりあったのは事実だから仕方ないけどね。
最近は男っぽい体を持っているのは便利だとさえ思うし)

知ってはいる。
でも、それを意識すると、自分がいっそう力を失って、たとえば自力で収入を得て社会貢献することも、まして元家族に対してせめてもの責任を果たすということも、やっぱりできなくなってしまうだろう……という恐れがある。
だから、多少無神経そうに見えるだろうけれど、わたしはそれらの非難を、できるだけ無視しようと思う。
(なんて書くと、わたしがよくカキコする掲示板なんかに突然くだらない非難のカキコが登場したりするのかも……
まるで「それが世の中だ。世の中はおまえが思っているよりも厳しいのだ」と言わんばかりに。
わたしに言わせれば、それは社会の「厳しさ」なんかではなく、むしろ「弱々しさ」の表れにすぎない、としか思えない。惨めなことをする人が多いものだ、と)

わたしは負けない。
いや、わたしは弱い人間だ。
ちゃんと働いて、家族への責任を果たし、権利よりも先に義務をまっとうするような人々と、同じくらい弱い。
だから、そういう人たちに「勝ちたい」とも思わない。

ただ、わたしにできる限りの力を尽くして、自分にできる限りの社会参加をしようと思う。

金を稼がなければ生きている価値がないかのように言うのは、社会がそれほど貧しいと言いたいのと同じだし、それを追認するしかないほど、そう言っている本人も弱いのだと思う。

わたしは勝たないけれど、負けない。
まず、自分の弱さに負けない。

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ここから「言い訳」編。
わたしがふつうに働こうとしない理由。

わたしにも「ふつうに働く」ことをした経歴はあります。
貿易会社で5年。
予備校で6年。
それ以前に、東京で1年半ずつ2社ほど、いたことがある。
でも、これ、やけに「転々としている」イメージがありませんか?

わたしにも全体的に把握できているわけではないけれど、わたしがどんなに真面目に勤め上げようと思っても、それを必ず阻んでしまう人格的な問題があるのです。

貧しく弱い社会は、そういう人間を「飼っておく」だけの余裕はありません。
だから「甘えるな」といって排除したがります。

けれど、わたしのように「ふつうに働くことができない」人間は、40人から50人に1人くらいずつ、いるようなのです。

貧しく弱々しい社会は、こういう人間を「怠け者」とか「社会のお荷物」とか言って排除してきました。

ただ、そんな中でも社会的にどうにかこうにかやっていける人は、逆にとてつもない名声や社会的成功を収めている人ばかりです。
さもなければ、家族やごく近しい人、あるいは特別なパトロンなどに恵まれて、社会的には全く恵まれなくてもどうにか人生をまっとうしている人、とか。

おわかりいただけるでしょうか。
こういう「人並みに生きられない」「生きるのが下手な人」というのが、世の中には少しはいるのです。


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05月16日(金)
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